第14話 魔女は薬を作るよね!

 私達のお店が出来たら自炊を始める事にした。ドンガさんはずっと一緒に食べればいいと言ってくれたけどね。


「自分で育てた野菜で調理をする。最高だね!」


 弟くん憧れのスローライフに料理は必須なんだって。だから料理担当は弟くんだよ。私は食べるだけ!


「お姉ちゃんは頑張って採掘してくれてるし、家事は僕が全部やってもいいよ」


「お姉ちゃんもやるよ〜〜 一緒にやろ!」


 さすがに全部やって貰うのは考えもんだよ。小さな弟に家事を任せる鬼姉なんて呼ばれたら嫌だし〜〜


 さてと、今日は錬金術で薬を作るよ! 本で予習はバッチリだからね。


 まずは……そう! 魔女の服を着る事!!


 とっても魔女っぽい黒い服を着て、錬金術に挑戦ね。

 弟くんが用意してくれた金印の錬金釜はスープを作るお鍋と同じ位の大きさ。そこに水魔法で水を張る。その水を錬金釜と同じ素材で出来てるっぽい金色の棒で魔力を注ぎながらかき混ぜると……蒸留水の完成!


『 錬金術師  レベル 1 になりました 』


 蒸留水に刻んだ薬草を加えて更に魔力を注いでかき混ぜると……ポーションの完成!


『 錬金術師  レベル 2 になりました 』


 うは!! すぐにレベル上がっちゃったよ。隣りで様子を見ていた弟くんに聞いてみる。


「シュン、もうレベル2になったよ?」


「多分、作る量が多いんだね。魔力が豊富だから出来るんだと思うな。それと品質も関係しているかも」


 魔法でポーションを鑑定してみたら……


 ポーション  品質  極上


 これを小ビンに入れれば商品の完成! ぴったり20個のポーションが出来た。ちゃんと本に書いてある通りの分量で作ったからね。


「錬金術師のレベルを採掘師と大魔導に移そっと」


「そうだね。採掘師は力と体力のステータスが上がるから大魔導の弱点を補ってくれるよ」


 ポーションを空間魔法で収納した。異空間に収納しているのは杖と本とポーションだけ。掘った銅鉱石は空間魔法では運ばない事にしている。ドワーフさん達はリュックサックで運んでいるから何となくそうした方がいいかなって。


 今日もソウガと一緒に日課の銅鉱石採掘をする。


「なあハルカ、お前店をやるんだって? もう掘るのはやめるのか?」


「ん? やめないよ? コレ好きだもん」


「変なやつ……そんなに採掘って楽しいか?」


「分からないかな〜〜 このコツンとやる楽しさが!」


 コツン! コツン! コツン!


 銅鉱石がザクザク取れる。掘るだけでお金も経験値もウハウハだね!! グフフ!


「オラは早く戦士になりたい! 戦士になってモンスターを倒すんだ!」


「ふ〜ん、でもこの辺にはモンスター居ないよね?」


「山の向こうで大人達が必死に戦っているからな」


 ガガンゴ鉱山の北側では激しい戦闘が行われてみたい。


「私も一緒に戦おうか? 一応、魔法使いだし」


「はぁ!? 子供じゃあ役に立たない! 本当の戦闘だぞ」


「戦った事あるの?」


「無い……無いけど大変なんだ!!」


 はぁ〜〜 これだから子供は……


 って私もソウガと同じ10歳だけどね!


「ドワーフさん達は魔法使いが居ないって聞いたよ? 私が居ればちょっとは戦力になると思うけど」


「お前……イイやつだな。向こうの国の奴らは救援を頼んでも全然来てくれないのに……」


 ドンガさんは何度も救援依頼のクエストを出しているんだって……でもあまりに辺境なので誰も来ないみたい。


「勇者様にも直接頼んだけど忙しいって断られたんだ!」


 まあ、あの勇者ならそんなもんでしょ!

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