第10話 森を燃やしそうね!

 まず石炭を掘って採掘師のレベルを5にする。それで採掘師の重い物が持てるスキルが復活する。リュックサックを背負って小屋で下ろして『スキル 移点の尾』を使ってレベルを大魔導へ移す。また掘りに戻る。


 1日2往復分の石炭を掘れればお金もレベルも稼ぎは充分ね!


「お姉ちゃんのスキル、やっぱり激ヤバだね」


 もう大魔道のレベル9になっちゃった!


 採掘師はレベル4と5を行ったり来たりだけどね!


 お金もドンドン増えて弟くんの農具を揃えてあげている。

 弟くんはドンガさんの許可を貰って畑作りを小屋の周りでしているよ。


「でもさ〜 畑って楽しいの?」


「うん! ずっとこういう生活がしたかったんだ! お姉ちゃんありがとね!」


 見ていても全然楽しそうに見えない……


 と言うか体の小さな弟くんが畑仕事をしている姿はなんだか痛々しい……お姉ちゃん頑張っているからさ〜〜

 あまりに嬉しそうにやっているから止めれないけどね。


 やるなら採掘の方が楽しいのに……あの石炭をコツンとピッケルで叩く瞬間のなんとも言えない心地良さ!


「お〜い、狐っ子達ちょっといいか?」


 相談があると言ってドンガさんが私達の小屋に来た。


「ハルカ、お前さんの狐火をみんなのカンテラに入れる事は出来るか?」


「やった事無いですけど、やれそうな気はします」


「もし出来たら今のクエスト報酬に追加で銅鉱石の採掘権を足してもいいんだが」


「ええ!? やります! やってみたいです!」


「お姉ちゃん、とりあえず幾つ炎が出せるか試して」


 今はウチの2個とソウガにあげた1個。合計3個の狐火が燃え続けている。魔力が減った感じは全くしない。


「じゃあやってみるね。狐火!」


 青白い小さな炎が宙に浮かんだ。


「狐火! 狐火! 狐火! 狐火! 狐火!」


 ドンドン炎を出していくと……


「お、お姉ちゃん! ウチの中が暑くなって来たよ! このままだと火事になっちゃうよ!」


「わわわ! 消えてぇ〜〜!!」


 フッと全ての狐火が消え、部屋の中が薄暗くなった。カンテラの中に狐火を入れて明るくした。


「外でやった方が良さそうね」


 みんなで外に移動してもう一度試しみる。


「狐火!狐火!狐火!狐火!狐火!狐火!狐火!狐火!狐火!狐火!狐火!狐火!狐火!狐火!狐火!狐火!」


 ドンドンと炎が増えてふわふわと宙を漂っている。


「どれだけ出しても魔力が減った感じしないよ」


 ふわふわっと漂っている炎が風に流されていく……


「お姉ちゃん! 炎が森の方へ行っちゃうよ!!」


「わわわ! 消えてぇ〜〜!!」


 炎は何かに閉じ込めないと風で流されちゃうみたい。


「ふーむ。面白い魔法みたいだな。特別製のカンテラを用意するからさっきの話は頼んだぞ」


 消すと全部の炎が消えちゃうのが難点かな。


 ムフフ……でもこれで銅鉱石を掘りに行けちゃうよ!


 収入アップ間違いなし!! やったね!

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