4. 名前を決めましょう
《welcome to Ω Fantasy》
この文字がディスプレイに出たあと、ふっと体から力が抜ける感覚がした
気づくと僕は草原にいた。
「あぁ、これは.....すごいね。」
自然と言葉が漏れていた。頬を撫でる風、草と土の匂い、地平線まで続いてるかのような、草原と青空。
感動的だった。ずっと眺めていられる。VRゲームとはここまですごいのか。
どのくらい眺めていただろう、不意に後ろに気配を感じたので振り返ってみた。
「ふふ、もうよろしいですか?」
女性がいた、優しげな表情、腰まで延びたストレートの金髪が印象的な感じだ。
「あ、ああ、すいません。」
急な美人の登場に少し緊張してしまった。
「もう気づいているかと思いますが、ここはチュートリアル空間です。ここでアバターの作成など基本的な動きを学んでもらいます。」
「わかりました。チュートリアル空間だったんですね、どうりで」
流石に地平線まで遮蔽物のない草原は現実的でない。
「ふふ、Ωファンタジーの世界にもにたような景色がありますよ。さて、まずは自己紹介ですね。私は、管理AIアルファリエ、この世界を訪れる皆様のサポートを担当しております。」
「僕は、清一、華月 清一(かづき せいいち)です。」
「素敵な名前ですね。清一様、では次に、Ωファンタジーで使うアバターの名前を決めましょう、重複している名前は使えませんのでよく考えてお決めください。」
アルファリエさんがそう言うと、目の前にキーボードが現れた。...名前か、何も考えてなかった、むーーー悩む。美人が目の前でニコニコしてるのもプレッシャーだ。
ここで適当な名前を付けると後で必ず弄られる、ここは無難に自分の名前をもじっていくのがいいか、とりあえず【セイ】と入力。
【重複しています。】
安直なのはダメか、【セイン】と入力。
【重複しています。】
これもダメか、では次、【ファースト】と入力。
【重複しています。】
......ヤバイ、ネタがつきた、どうしよう、【セイ】と【ファースト】を合わせて短縮して【セト】でどうだ。
【アバター名 セト で登録しますか?】
おっ!通った。YESっと。
「良い名前ですね。これからは、セト様と呼ばせていただきます。」
自分の名前は、セトっと慣れないとな。
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