書きたいことと求められること
「せんぱい、せんぱい」
おう。後輩。今日は給料日前だから、
焼き肉には行けんぞ。すまんな。
でも、安いとこならオッケーだぞ
(今度は何を持って来んだ?)。
「いやいや、いきなり何言ってんスか?
ちょっとキモイっスよ?
私、別にお腹空いてるからって、
先輩に話しかけるわけじゃないっス」
じゃあゲーセン行くか
(どうやって気をそらすかな)?
今のゲーセンって凄いんだぜ?
二千円もあれば、メダルで___
「ハイハイ。今度ちゃんと遊んであげますから、
そろそろウザイんで、
私の話を言うッスよ。真剣な話っス」
おう、じゃあ今度遊ぼうな(先走り過ぎたか)。
「で、ですね。私は熱い話が書きたいんス!」
え、あ、うん。
書いたらいいだろ
(たぶん、今度は芸術と商業の話だな)。
誰も邪魔してないぞ?
寧ろ俺は応援してるしな。
「えっ⁉ ああ、何時もありがとうご___。
って、違うんスよ。
私は人を感動させたいんっス。
良い話が書きたいんス」
うん? お前は面白いぞ
(はぁ~。厄介なヤツだった)。
何時も俺を楽しませてくれてるし、ありがとう。
「えっ⁉ ああ、そうっスか。
エヘヘ。
こちらこそ、何時もご贔屓に…………
って、それは私自身の事でしょ!
しかも三枚目枠だしっ!」
てへっ、ペロっ!
「……………………」
無言はやめよう(マジで)?
なっ? うん、ごめん。謝るからさ。
勿論、今のは俺が悪いんだけどさ。
辛辣にツッコんでも、流してもいいけど、
無言は本当に心に来るんだ。
「んじゃ、ただただ、普通にキモイっス」
お、おう。コメントありがとな。
(女子で結構な頻度使う子いるけど、
ウザイ、臭いと並んで、
男が言われて傷つく三大ワードだな)
「で、ですね。
創作物は読んでくださってナンボなんスけど、
求められて応じるのは、
なんか違うと思うんスよ」
そうか、俺は全然アリっていうか
(仕方ねぇ、対極で攻めるか)。
寧ろそれが全部じゃねっ?
って、ぐらいだけどな。
「せんぱいは、
何でそんなに皆受け入れちゃうんスか」
なんだと?
人をビッチみたいに
(それ答えがでんヤツなのよ)…………。
まぁ、お前が言ってることは、
太古から言われて来たことだしな。
「たまに先輩は博識だからキモイっス」
おいっ!
(まだ、知識を披露してないのに、
キモイと言われたぜ)。
「半分はジョーだんっス。
でも、蘊蓄は、イケメンか、
皆の知恵袋的な、
キャラの人が言うから許されるんです。
せんぱいが言っても、
正直ウザイだけっス」
そうか、なるほどな
(半分かよっ! とはツッコまん。
長引くからな)。
「まぁ、いいッスけどね。先輩らしくて」
そうか、ありがとう。
(後輩よ。今の話の流れだと、
俺はウザくてキモイのが、
個性になっちゃうぞ?)
でもさ、どんな作品になったとしても、
大事なお前の一部だろ?
「せ、せんぱ~い……ポッ。
なんてなんないスよ。
アハハ、何、格好つけてんスかぁ~。
更にキモさが増したっス」
おう(上手くいったようだな)。
「それに、最近はちょっと、
オッサン臭さも出て来たッスよね」
そうか(マジかぁ。それは本気で凹むなぁ)、
すまん。
で、結局お前はどう思ってんだ?
「いや、別に謝んないでいいっスよ。
でも何か、せんぱいと話してたら、
何で悩んでんのが馬鹿らしくなって」
そうか、すまんな
(悩みが解決したようで何よりだ)
「アハハ! 別にいいッス。
でも、先輩ってマジでお父さん見たいっス」
おう、理想の父だろ
(元気になって良かったよ)。
「ほらっそんなに凹まないで。
じゃあ、今日は私が付き合ってあげるッスよ。
勿論おごりっスよ。
せんぱいゲーセンに行きたいんスよね?」
おう、ちゃんとお前も楽しめると思うぞ。
(俺の方は、短いやり取りで、
ウザイ、キモイ、臭いをコンプリートだ)
「じゃ行きましょう! はっやくぅ~!」
おう。
(お前が楽しく書いてくれたら、
俺はなんだっていいんだよ)
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