第37話『戦後処理の様子』

天下分け目の戦いから二週間が経過し、前田利家……爺の葬儀が恙無く行われた。


これは多くの財を消費した立派な葬儀であった。敵対して戦ったとはいえ、三河狸もなにかしら思慮することがあるのが、神妙な顔立ちであった。


徳川方に着いた大名の中にも泣く者もおり、爺の人望の厚さが見受けられる。


終日かけて葬儀が行われた後、西軍から前田利長、毛利輝元、宇喜多秀家、石田三成、小早川秀秋らが、東軍より徳川家康・秀忠、本多正信、本多忠勝・本多忠政、井伊直政らが集い戦後処理が執り行われた。


両勢は酷く対立した。既に西軍は豊臣家老小出秀政、片桐且元、大野治長との合議で東軍に属した大名は減封または改易、徳川の大幅減封処置を決定していたのである。


其れは秀忠が負けていれば良かったものの、勝ってしまった為に『完全に負けていないのに何故処罰されるか!』と中々東軍側の合意が得られなかった。


其ればかりか秀頼の停戦命令を無視して、攻撃を仕掛ける者が東軍に多く現れた他、西軍の上杉、毛利の国元なども攻勢を仕掛けるなど、再び戦に依る解決しかないという風潮が生まれつつあった。


俺は且元、秀政、治長らを呼び出した。一応六歳児っぽい言葉遣いを心がけて、質問した。


「ん〜戦の後片付けってどうなってるの?」


「はッ。この且元が御答え致します。内府の大幅減封や徳川方諸将は減封または改易に致すように取りなしております」


「ふ〜ん。よく分かんないけど、余のお願いを無視したのは許せないから、領地没収相当にしてね」


「かしこまりました」


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「秀頼公は先程、我らの提示した戦後処理案に関して、法令違反は許されない為に改易相当とすべしとおっしゃられた。勿論秀頼公は若年であり、我らが修正することは必要であるが」


「秀頼様は、実にその様に……」


治部少輔三成殿、左様でござる」


「では内府殿には150万石の減封で改易を受け入れて頂くほかあるまい」


「宇喜多殿其れは些か条件が厳しい。我らは戦に負けたわけではござらぬ」


「内府殿しかし、あのまま戦が続いていれば負けは明らかであったであろう」


「左様。秀頼公の御言葉や天下の法に反したのだ。治部少輔の申す通りに、受け入れるべきでござろう」


「毛利殿……貴殿の御領地では秀頼様の御命令に反して軍事行動をしておられるとか」


「本国のことは詳しくは聞いておりませぬ。左様なことが有れば、如何なる沙汰も受け入れる所属」


「なるほど……」


この様に俺の言葉は秀政により婉曲して、戦後処理をしていた両勢に伝えられた。停戦後に攻勢に出た上杉、毛利等の西軍方への沙汰を条件に三河狸は大幅な減封を受け入れた。この為に三河狸が然るべきときには豊臣を滅亡させようと思わせる一因となったらしい。


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ウマ娘でのこと、ユキノビジンが十連で出ました。無課金者なので満足です(*´꒳`*)

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