27 陽は舞いおどる甲子園
ワイの家は共働きで、個人事業やったんで仕事が忙しくなると、
「アンタ、これで甲子園でも行き」
交通費と弁当代を、岩倉具視の500円紙幣で何枚かオカンに渡されて、電車で西宮まで行って高校野球を観に行ったりしました。
当時は外野席はタダで、しかも丸1日楽しめたんですよね。
始めて観たのは、いわゆるKKコンビの頃。
…歳、バレてまうがな(笑)。
で、その頃からスポーツを観るのは好きで、でも自分でスポーツするのは体育会系が嫌いやったんでしませんでした。
こないだまで書いていたスクールバンドシリーズの決勝をハマスタにしたのも、地区予選から勝ち抜くスタイルも、そんなところにもしかしたら、影響があるのかも知れないですねー。
でもあえて甲子園にしなかったあたりが、アマノジャクなワイのワイたる所以なんかなって(笑)。
…話戻しますね。
当時は子ども一人であってもちゃんと入れてくれて、しかも周りの多分詳しいであろう知らんオッサンも、ワイを見て一人やって分かると、
「おぅ坊主、一緒に見るか?」
などとジュースをおごってもらったりしながら観たりして、今とは全く違う昭和そのものって感じののどかな夏休みやったんですよね。
で、色んな人が色んなルールや話をしてくれる。
「あのランナー、2塁で刺されるで」
って言ってるうちに、ホンマに2塁で盗塁失敗して刺されたりする。
きっと毎回毎日観てるから、分かるんでしょうけど。
子供ながらに不思議でしたけど、今はなんとなく「ああいうのを経験則っていうんやな」って理解出来るんですけど、でも当時は不思議でしたね。
でもそんな大人たちに囲まれてたから、人あしらいだけは一応できるみたいで、これはこれで良かったのかなって今は思います。
そんな大人たちに見守られながら、今のメジャーリーガーになった選手たちも甲子園に出てたのかなって思うと、なんとなく感慨もありますねぇ。
もうすぐ夏が来ます。
今年は2年ぶりの甲子園大会もあります。
かち割り氷の売り子の声とか、イカ焼きの匂いとか、照りつける陽射しとウグイス嬢のアナウンスとか、またあのワクワクする夏が戻ってきます。
…悪いけど、今度の東京のオリンピックより期待大かも(笑)。
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