96話 エントランス作りの下準備と諸々の整理

 昨日マイヤさんとの相談もしたので、今日は商人ギルドで買い込んだ資材を使って屋敷内の内装に取り掛かろうと思う。

 

 まずは、エントランスというか改造のメインはエントランスなんだけどね。

 

 アイテムボックスから天使さんズの像を出して相談しながら作っていくことにしよう。

 

 天使像について、あらためて最初の経緯に立ち返る。

 

 この天使さん達は、アンシャル様の手配してくれた僕の転生を担当してくれる天使さん達だったのだけど、名づけをした事によって存在の格?が上がって僕の守護を転生後もしてくれるという事になっていたと思う。

 

 そして守護をしやすくする為に、僕の身近な場所に降臨する為の依り代として何かを作って欲しいという事で作成した筈だ。

 

 ってことは天使さん達は可能であれば僕の守護として顕現しっぱなしであるほうが都合が良いのかな?

 

 ここらへんについて明確に聞いたことが無かった気がする。

 

 アイテムボックスから天使像を3体?取り出して自立するように置いた。

 

 置いてる側から、像が光り出して降臨しだす、ちなみに天使も降臨なのかな?天使だと憑依?まあ敬意を持ってるから降臨ってことでいいのかな。

 

 「おひさしぶり~」

 「ご無沙汰しております」

 「やっほーぅ」

 

 「お三方ともお久しぶりです」

 

 いつみても三者三様って感じだなぁ、慈愛あふれる感じのホウさん、きっちりした騎士のリリさん、妖艶としか言いようが無いアミさん。

 

 とりあえず、3人とも事情はある程度知っていてくれるようだけど、改めて此処が購入した僕の家であることエントランスに天使像を置く事、そして神様の像も配置したい事等を説明した。

 

 「なるほどねぇ~、うんうんわかったわ~」

 

 「ウェルギリウス様、神像を設置されるのであれば護衛はお任せください」

 

 「しかし、大きなお家よねぇ。ここで一人で住むのぉ?」

 

 会話をしてくれるのはホウさんだけで、あとは暴走天使とマイペース天使である。面倒では無いけど無視して会話を進めるのは違うと思うので一気に返事をしようかな。

 

 「ということで、ホウさん像の御姿とかの相談に乗ってください」

 「あはは、リリさん出来上がった暁にはお願いします」

 「そうですねぇ、ここに住むのは、今の所ぼくだけですね」

 

 各天使に毎回向き直ってお返事をすると、3人とも察しがいいので気付いてくれたようだ。

 

 「一気に話しかけてごめんね~」

 「失礼しました」

 「うふふ、ごめんねぇ」

 

 まあ、このままグダグダしてても仕方ないのでお茶でもしながらお話しどうですか?とお誘いをしてお茶をしながら今後の事を相談する。

 

 もう自分の家なので顕現するのに制限なんて無いのだよ。3年くらいで依り代に顕現しておくだけの謎パワーも溜まってるだろうしね。地味に信仰を受けていた宿屋の天使像なのだ。

 

 そのまま4人でお茶をしながら、下図で書いた屋敷の内装や神様の像について話す。

 

 「う~ん、お姿については人型よりも司る物にしたほうがいいわよ~」

 

 「ウェル君が居た世界でも人型の神様の姿って伝えられてたと思うんだけど、あれはほとんど偽物よ?ただの権力者でしかない人が大半よ」

 

 衝撃の事実!なんてね。親子共々汝の隣人を愛しすぎて親のわからない大工の子とか。我儘すぎて子を悪魔と呼んだ小国の王子とかね。

 

 屁理屈と無敵理論使って地道に努力や生産することの無い属性悪の人達。小学生の屁理屈から抜けきらない人とか彼女の実家の資産まで食いつぶして成り上った人とかと同じ輩が過去に居たってだけでしょうね。

 

 ってなわけで神像に関しては神様の権能の範囲を考慮して4人で相談しつつ、僕が絵に書き起こした。

 

 結果として「アンシャル様を惑星型」「ギビル様を火型」「ニンフルサグ様を稲穂型」「ニヌルタ様を剣盾型」「エンリル様をうずまく風型」「ナンナル様をハート型」「イナンナ様を三日月型」「エレシュガル様を月と満月型とデスサイズ型」になったけど、エレシュガル様だけ黄泉いわゆる死を司っているので表現が難しいので選択いただくことになった。

 

 ホウさんが割と気楽に「確認して来ますよ~」と言っていたので大丈夫なのかな?と思いつつお願いした。

 

 その場からホウさんが居なくなり、リリさんとアミさんと僕、そしてずっと語らずで側に着き給仕をしてくれたりしているマゼッパさんだけとなった。

 

 「とりあえずホウさんが戻って来るまで休憩にしましょうか?」

 

 「はぁ~い、ねぇあのお風呂って借りていいかしらぁ気持ち良さそうだったのよねぇ」

 

 「はい、いいですよ。使い方は大丈夫ですか?」

 

 「みてたからへいきよぉ」

 

 うぉい、どこまでみてたんじゃい!!とか思ったけど、よく考えたら子供の頃のオムツ交換から見られてたわ。てへへ。今更ですね。

 

 「じゃあいってくるわねぇ~。んしょっっとぉ」

 

 座っていた席から艶めかしい立ち上がり方をして、アミさんはお風呂へと歩いて行った。

 

 なんというか、仕草が色っぽいのだよねぇ。別にクネクネしてるだけじゃないんだけど、溜めの取り方とか息遣いとか細かいところにセクシーが出て来る。

 

 クネクネって変にやるとイヤオォを通り越してオヤイェになるしな。あっ本家の赤い人は天才だと思うし尊敬してます。1秒の認識が長いタイプが天才だという独自理論を持つ僕にとって彼は天才です。100年に一人の人は根性極振りの育成をしたという意味では尊敬してますがレベルが違うと思います。

 

 また余計な事を考えてしまった。ちょっと斬鉄の泥棒侍みたいに考えてしまったけど、この横道にそれるタイプの思考はもう僕の特徴なんだな、これ。脳のデフォルトモードネットワークの活動が活発なタイプなのでしょう。セントラルエグゼクティブネットワークに引き渡しものを引っ込めるくらいに、端的に言うと表層の定まらないままで生きすぎ笑。

 

 「どうかされましたか?」

 

 一人で色んなことを考えて百面相してしまったので、リリさんに心配されてしまった。嘘ついても仕方ないのでそのまま言おう。

 

 「アミさんの仕草がセクシーだなぁ、ってのから余計な前世の事とか脳の特徴とか考えてました」

 

 「ウェルギリウス様は色々な事を考えられますよね」

 

 「ちょっと考えが落ち着きないですよねぇ、自分でも分かってるんですけどね」

 

 「まだ体が幼いので脳と精神と思考が一致してないと思いますよ」

 

 なるほどね、まあそっか義務教育ありで幼い頃から知識貯めて来た地球人類とアルカディア人類は成長の曲線が違うとか細かい所で色々ありそうだ。深追いしないけど笑。

 

 「そういう事もあるのかなぁ、まあ今の所弊害は出て無いからいいんですけどね。しいて言えばこうやって対面に居る人を置き去りにしちゃうくらいかな。ごめんなさい」

 

 「いいのです。お側にいられればいいのです」

 

 うん、愛が重い。なんちて。

 

 「ホウさんもアミさんも行っちゃいましたねぇ」

 

 そうだ、この間王都で魔法について急場で教えてもらったけど詳しく教えてもらってないや。

 

 「リリさん、今更ですけど王都ではありがとうございました」

 

 「いいえ、ご用があればいつでもお呼びください」

 

 「それで魔法についてなんですが、あの場では対価無しになんて話を聞いて実際にそのように出来ましたけど、もう少し詳しく教えてもらっていいですか?」

 

 「はい、わかりました」

 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・

 

 そこからリリさんの魔法講座がはじまったのだけれども、少し考えを整理しなきゃいけないなと思った。

 

 基本的には、以前に説明受けた通りだけど、この世界の人は火風水土の元素魔法に特殊として回復魔法が存在するまでは良いんだけど、対価となる魔力という項目が魔法使う人には存在するらしい。

 

 それは数値化もされてなくて、魔法を使う人が感覚であと1回打てるかな?今打てるかな?みたいなもんで把握してるらしい。それの把握が正確で打てる回数が多いのが優秀な魔法使いとの事。

 

 それで、僕に関してはアンシャル様の加護を経由して無限に使えるらしい、そりゃ規格外だ。

 

 しかも想像したことはすべて出来るらしい、魔法みたいだな。ってまさに魔法なんだけどラノベで言う所の創造魔法みたいなもんかね。

 

 この辺に関して、詳しい事を聞こうとしたら「アンシャル様の恩恵になりますので」とリリさんが珍しく口を閉ざしたので踏み込まないでおいた。

 

 ステータスのアンシャル様の加護に、そんな事書いてなかったきがするけどなぁ。

 

 ちとステータス見てみるか。

-----------

[氏名]ウェルギリウス

[レベル]28

[STR]130

[VIT]130

[AGI]130

[DEX]130

[LUK]130

[CAR] 50:善

ステータスポイント:56

[スキル]

魔法Lv5_魔法操作Lv5_鑑定Lv5_回復Lv5_錬金Lv5_工作Lv5_描画Lv5_剣道Lv5_歌Lv5_料理Lv5

[パーソナルスキル]

生生世世_意思疎通_ステータス操作_アイテムボックス

[称号]

神足_頑強_器用_怪力_天運_アンシャルの加護

-----------

 あっスキルが全部5になったか、あがったのは魔法関連、錬金と剣道、料理だね、まあ王都で確認というか開示してから何もしてないしね。

 

 道中で雑魚狩りはしたものの雑魚だしね、Lv28にもなると上がらないでしょ。必要EXP的なものがいくらなのか知らないけど。

 

 ちなみにステータスに魔力が出ない件については、「HPが表示され無いのと同じ理由です」と言われた。リリさんは転生前の事も知っててくれるので説明がわかりやすい。

 

 そだね、HPが表示されないのにMPだけ表示されるってのも変だ。ステータスはあくまで持っている能力であって体の状態ではないもんな。

 

 腕が無くなったら出血死もするわけだし、HPが10000あってそれがHP1になったら体はどうなってるの?って言われたら答えられないよねってことで。魔力も実数化というかみえる化はされないらしい。

 

 力、頑丈さ、速さ、器用さ、運の良さがこれ位ですよって理解だけしておけばいいか。

  

 んで、魔力は対価無しに使えて、他の魔法使いは人によって量に差と違いがあるけど魔力があってリキャストタイムみたいなのがあって連続発動したりは出来ないみたい。

 

 まあ他人の前で魔法使う時は気をつけましょうって事にしておけばいいかな。

 

 連続で使わない、元素に基づいて発動する、対価に魔力が必要ってのが常識っと。

 

 最近、日常に埋没して来て転生した事とか自分が異常な事を忘れつつあったので良い確認だったのかもしれないね。

 

 まあゴリゴリにバトルで暮らそうと思わないので、世界の仕組みですよ。そこから外れてますよ位で理解しとこ。


 そんなこんなで、自己考察も含たリリさんの魔法講座も落ち着いたので、下書きをしていたエントランスのイメージ図に改良点を書き込んでいく。

 

 基本的にエントランスに関しては、僕のイメージした通りになるって感じかなぁ。

 

 室内だけど、ちょっとパルテノンっぽい神殿を作って8柱の神像を配置する事になる。

 

 エルサレムにある岩のドームをギリシャ建築風に作る感じでデザインをしていくことにした、外に出すわけじゃ無いからドームの上端がないのだけどね。ただの八角形の神殿だね。

 

 中央には岩ではなく、お供え物をおける祭壇を置いておくことにしよう。

 

 ・・・ん、出来た。

 

 あとは像の確認に行ったホウさんと、セクシーバスタイム中のアミさんが戻ってきたら一気にエントランスを整備しちゃおう。

 

 資材は山ほど買って来てあるしね。

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