第104話干し肉料理

干し肉料理は、先ずはスープを作ることにした。

 水に干し肉を細かくして入れて煮始める。

 沸騰してきたら野菜を入れてさらに煮続ける。

 そこに胡椒と唐辛子似のラナラナを入れて、味を調えたら出来上がり。

 干し肉のピリ辛スープの出来上がりだよ。


1品作った私は、今度はジャガイモ似のポクポクを皮をむいて、塩を入れた水で煮始める。

 煮えたかどうかを確認する串を指して、すんなり刺さるようになったら。鍋からお湯を出して少し加熱して、水気を抜きながら潰していく。

 潰したポクポクを冷やしている間に、干し肉と野菜を薄く切って、冷ましたポクポクに混ぜたら、マヨネーズを入れて混ぜれば完成。


続けて二品ほど作った所で、横で作り方を見ていたラナちゃんが質問してきた。


「干し肉をスープに入れるのは良く見ますけど、ポクポクをこんな風に料理するのは初めて見ました」


ラナちゃんの質問に私は「このじゃが・・・ポクポクは他にも簡単で美味しい食べ方も有るのよ」と答えると目をキラキラさせて。


「ポクポク料理の作り方も教えて貰っていいですか?」


ラナちゃんが興奮して聞いてくるので、私は笑いながら「良いわよ」と答えると、ラナちゃんは嬉しそうに笑ってくれた。


私はラナちゃんに、今度はどの料理を教えようと考え始めた。

 丁度いいからオークの脂身から、油の取り方を教えて上げようかしら?

 料理するのに油は必要よね、確か前に美味しいとんかつ屋さんの番組見てる時に、豚の脂身から油を搾ってたのを思い出しながら作業し始めた。

 その後自分でも一回やってみて、焦がしちゃったことがあるのよね、その後水を少し入れないといけないって知って、出来るようになったんだけど。


私は前に油を取った時の失敗を思い出しながら、ラナちゃんにオークの脂身から油の取り方教えた。

 

「先ずはオークの脂身と水を少し入れて、火にかけると脂身から油が出て来るから、その油だけを集めるの。

 丁寧に灰汁を取って、油と肉が分離したら、目の細かいザルでこして完成よ。

 たまにこし切れなかったカスが、そこに溜まってることが有るから、使うときは気を付けてね」


私が油を取る作業をしながら説明していると、ラナちゃんは真剣な顔で説明を聞いていた。

 取った油を使って、今度はコロッケを作っていきましょう。

 と言っても、作り方は途中までポクポクサラダと一緒、ポクポクを茹でている間に、玉ねぎ似のルットをみじん切りにして飴色になるまで炒めたら、細かく切った干し肉を加えて、混ぜておきます。

 それを潰したポクポクと混ぜて、パン粉を付けて油で揚げます。

 元の世界で作ったらジャーキーが3袋ぐらいの凄い量いるから、まさに高級コロッケになっちゃうのよね、それに塩気も強いから、具を作る時の味付けも気を付けないといけないのよ、失敗するとしょっぱいコロッケになっちゃうから気を付けて!

 

なんて考えながら、作っていくとあっと言う間に夕食の時間になっていた。

 私がコロッケを大量に揚げている間に、カーラちゃんが帰って来て汗を流し始めた。

 少しすると、カーラちゃんがお風呂場から出てきて、それと同時にアントニーくんとチェスターくんが入り口から入って来た。

 

アントニーくんもチェスターくんもカーラちゃんでさえ、私が渡した武器を嬉しそうに抱えている。

 

「それにしても、いい武器渡して貰ってよかったです。

 重さに慣れるまでまで苦労しましたけど、これなら大丈夫そうです」


チェスターくんが嬉しそうにそう言うと、アントニーくんも感想を言い始めた。


「俺の貰った剣も肉圧なのに良く切れるんだな、あんなに切れると思わなかった。

 アトム兄ちゃんが拾ってきた厚めの木も簡単に両断できるんだもんな!」


アントニーくんは剣の切れ味に満足しているみたいだけど、勝手にアトムくんの木で試し切りして怒られないかしら?

 後でアトムくんに怒られても知りませんからね。

 私がそんなことを考えていると、アベル達が帰って来た。


「マリア、パン買ってきたから、ストレージに入れといてくれ」


帰って来るなり、アベルがパンの入っているだろう袋を持ち上げながら言ってきたので、私は頷いてストレージに入れた。

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