第98話面接

ギルバートさんと森の調査について説明を受けた。

 期間が3日だから、その間孤児院の様子を見てくれる人を雇うことになったけど、ギルバートさんが言うには、ここで雇う人を面接していいことになった。

 ギルバートさんの言葉に従って、私達はここで依頼を受ける人を待つことにして、受けてくれる人が来るまでに世間話をしていた。


「そういや今お前ら鉄等級だったな、この依頼が終わったら銀等級への昇格できるからな」


ギルバートさんがそんなことを言ってきたので私は疑問に思って聞いてみた。


「この前銀等級にするには登録してから早すぎるって言われたのですけど」


私が質問すると、ギルバートさんは頭を掻きながら、話し始めた。


「それなんだが・・・この短期間でお前らはオークだけじゃなく、ワーラントやブッシュメカックまで狩ってきた。

 知っての通りワーラントは金等級の魔物だ、それにブッシュメカックも1匹なら銀等級だが、群れとなると・・・。

 最低金等級、もしかしたらナボルタ級まで在り得るからな、そんなパーティーを低ランクで遊ばせておくわけにいかんから、最低でも金等級にはなってもらう。

 金等級になるには、護衛の仕事も受けてもらわなきゃいけないが、それは今回の指名依頼が終わった後頼むつもりだ」


ギルバートさんから、等級に関しての説明を受けた、私以外の皆は納得していたけど、私は護衛と聞いて顔をしかめてしまった。

 だって護衛ってことは、今回の依頼より長い時間帰って来れないんでしょ?そんなに長い時間あの子たちから離れるなんて!

 私が渋い顔をしていると、ギルバートさんが呆れたような顔になって、話し始めた。


「そんなに心配なら、また人を雇って見て貰えばいいだろ?」


ギルバートさんの言葉に私は仕方なく頷いた。


私達が話をしている間に、私の依頼を受けてくれる冒険者が来たみたい。

 会議室に入って来た冒険者達は全部で5人だった。

 全員若くて、アトムくんと同じ位の年に見えた。

 私達とも5歳ぐらいしか離れていないように見える。

 

「それでは一人づつこの依頼を受けた理由を聞いてもよろしいですか?」


私が志望理由を聞くと端の男の子から話し始めた。


「一日一回孤児院を見に行けばいいんだろ?簡単だし開いた時間を他の依頼に回せるから受けようと思った」


「あたしも同じです」「あたしも」


「わたしは家に妹がいるから、子供の世話を焼くのは慣れているから・・・」


「俺はマリアさんが孤児院の子供の面倒を見てるって聞いて、マリアさんとコネが出来れば何かあった時に助けてもらえるかもって思って・・・」


最後の子の志望動機を聞いた他の候補者は、納得したような顔をして、キラキラした目で私を見つめてきた。

 そんな冒険者達の顔を見て私は薄く微笑んで、次の質問をした。


「ではもし子供たちが、何か犯罪に巻き込まれたことを知ったら、貴方たちはどうしますか?」


私の質問に腕組んだり、頬に手を当てたりして悩み始めた。

 考えがまとまるまで少し時間を待って、答えを聞いてみた。


「俺は助けに行こうと思う!」


「あたしは仲裁できればしたいです」


「あたしも助けます!」


「わたしは衛兵を呼びに行きます」


「俺は自分が助けに入って、その間に孤児院の子に衛兵に知らせてもらいます」


5人の回答を聞いて私は頷いて質問を終わらせた。

 私が質問を終わらせたことで、冒険者達は会議室を出て結果は直ぐ知らせるから、下の食堂で待っててもらうことにした。

 

5人が会議室を出た所で私達は話し合うことにした。


「さて、どうするんだ?」


アベルが話し始めたので、私は自分の気になった冒険者を上げることにした。


「私は最後の男の子とその前に女の子が良いと思います」


私がそう言うとアトムくんが不思議そうに聞いてきた。


「どうしてその2人なんですか?」


アトムくんの質問に私は微笑みながら答えた。


「あの二人は女の子の方が衛兵を呼びに行くと言って、もう一人が自分押さえている間に、衛兵を呼びに言ってもらうと言っていましたから」


私が答えるとアトムくんは納得してくれたみたいだった。

 ギルバートさんは頷いていて、アベル達はも納得していた。

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