第94話布を買いに行くよ
お昼を食べ終わった私達は午後をどうするか話し始めた。
「私は買い物に行ってきます」
私が午後の予定を言うと、ラナちゃんが質問してきた。
「食材や他の必要な物でしたら、午前中に私達で買ってきましたよ?」
ラナちゃんが言う通り、冷蔵庫の近くに箱に入った野菜や麻袋に入った物がいくつか置いてある。
それに目を向けてから、私はラナちゃんに答えた。
「実は服を作るのに布が足りないから、買ってこないといけないの」
私が買い物の内容を言うと、ラナちゃん達は納得したように頷き。
「私達も付いてった方が良いですか?」
ラナちゃんが質問してきたので、私は首を振り。
「することが決まってないなら、この二人に解体の仕方を教えてもらって」
私が話すとアントニーくんが前のめりになりながら質問してきた。
「解体教えてくれるのか?解体終わったら剣も教えてくれよ」
元気よく言って来るので、アベルは笑いを噛み殺して。
「分かった、解体が終わったら相手してやるよ」
アベルが快く引き受けてくれたので、アントニーくんは両手を上げて嬉しそうにしていた。
他の子たちも自分の出来ることが増えることに喜んでいるみたいだった。
早速皆を連れてコテージの裏に回ると、私はオークをストレージから出した。
アトムくん以外の子たちは、初めて見る魔物に少し怯えてるみたいだった。
キャトルーも魔物だろって?いや~見た目二足歩行してる猫ですから、魔物みたいな迫力は無いですよ。
オークの死体に近づいて、観察をし始めた子供たちを見ながら、アベルに向き直り。
「じゃあよろしくお願いしますね」
「任せて置け」
私はアベルに後を任せることを告げると、アベルは快く了承してくれた。
「皆、しっかリ解体の仕方教えて貰うんですよ」
私が子供たちに声を掛けると元気な声で返事が帰って来た。
返事を聞いた私は、買い物に出かけることにした。
孤児院を出た私は、服屋に向かうため町の中心に向かう。
町には人道りが多かった。
私はすれ違う人達の顔を眺めながら向かっていた。
服屋に到着した私が店内に入ると店員さんが私に走り寄って来た。
「いらっしゃいませ、今日はどういった物をお探しですか?」
私の顔を覚えていたらしい店員さんが、笑顔で揉み手をしながら近づいてきたので、私は必要な布と糸を注文すると店員さんは急いで用意し始めてくれた。
店員さんが布と糸を用意してくれている間に、私は店内を回って子供たちに会いそうなデザインの服が無いか見て回っているけど・・・。
全然かわいい服が無いよ!男の子は半袖半ズボン、女の子はだぼっとしたワンピースだけなんだもの。
子供はすぐ成長するから、デザインにこだわって高い服買っても、すぐ切れなくなっちゃうからかしら?
あの子達に作って上げる服は、あんまり浮かないような服が良いわよね、余り高そうな服作っても、着てくれなかったら悲しいもの。
私が考え事をしている間に、店員さんは用意を済ませてくれたみたい。
私はカウンターに向かうと6人分の布と糸が用意されていた。
「ありがとうございます」
私がお礼を言うと、店員さんは両手を前に出し振りながら。
「お買い上げいただけるのですから、このぐらいは当たり前です」
謙遜する店員さんにお金を渡し、帰ろうかと思った所でまだ下着の布が有るか聞くのを忘れていた。
「すいません、この前買ったビックスパイダーの布とキャタピラーの布まだ在庫ありますか?」
「ございますよ」
私が在庫を聞くと直ぐに店員さんは後ろの棚から布を出してくれた。
店員さんが布を用意してくれているのを見ながらさらに質問してみた。
「マッコウゲインの髭は有りませんか?」
私の質問に店員さんは眉を下げ済まなそうに頭を下げて誤ってきた。
「マッコウゲインの髭は、お客様にお売りした分で最後になっておりまして、次いつ手に入るかもわかておりません」
店員さんの返事を聞き、私はワイヤーをどうしようか考えていた。
ワイヤー無しのブラも有るけど、そっちも作って見ようかしら?
服屋で買い物を済ませた私は、試作の為にも子供たちの待つ孤児院に帰ることにした。
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