抜け殻の足掻き
ここのギルドの地下は結構深いようで、多少暴れても問題はなさそうだ。
「ここの扉の先の部屋にある壁を壊した先にある」
「壁ですか?」
「あぁ、封印のために壁を作った、君なら破壊できるだろう後はまかせる」
「わかりました、行ってきます」
「お願いします」
扉を開けて少し進むと壁があり、それを破壊すると人の形をした黒いオーラのような物が浮かんでおり部屋を彷徨っていた。
部屋の内部は照明がついており内部を見渡すことができる、内部はユウキの良く知っているアイオスのギルドの地下と酷似している、そのおかげで部屋の高さが感覚でなんとかなりそうなので戦いやすそうだ。
黒いナニカがこちらを発見すると叫び声をあげてユウキに走ってきた。
「理性は無いのかな?」
黒いナニカは爪を突き立てて攻撃してくるが振りが大きいのでユウキには簡単に回避できる。
何度か大振りの攻撃を回避してパターンを掴んだ所で腹部に蹴りを入れてみる。
「なるほど」
黒いナニカに触れると肉の焼ける匂いがしたので、その発生源を見てみるとユウキの足が焼かれていた。
距離を取って魔法で攻撃してみるが簡単に使える攻撃ではダメージを与える事ができないようで、むしろ吸収している感じもある。
「だったら」
腕に熱や耐性をつけて単純に硬くして攻撃すると黒いナニカはのけ反ったので効果がありそうだ。
(こんな時こそ我だろう?)
「そうだね」
ユウキは上着を近くに脱ぎ捨て両方の肘から先を龍化される。
龍化した手で殴ってみると黒いナニカに効果的にダメージが与えられるようで前世でのうろ覚えのボクシングスタイルでせめていく。
「そういえばカルラの力ってアレに通用しないの?」
(通用するもなに私は元々別の世界の天使と悪魔ですよ?)
「ああそうだった」
(それに何人かで見られているのでその力を使うはどうかと)
残骸からいくつか視線を感じるのでおそらく中継でもされているのだろう。
「確かになぁ、一応拳にまとわせる程度で行ってみたい」
(まぁ一応やってみますよ)
カルラが観念したのか手のひらに魔力が集まる、これで黒いナニカに拳低を当ててみると黒いナニカには明らかに大きな悲鳴を上げて大きくのけ反る。
「けっこう効いてるっぽいね」
(浄化できるっぽいですね)
「分からなかったのか……」
(そりゃあまぁ世界が違いますし、こっちじゃ初めてやりましたし)
「じゃあコレが終わったらいろいろ実験してみますか」
(そうですね)
「そのためにはまずアレを倒さないとね」
(ちょっと視界ってふさげます?)
「多分壁を作るだけでいけると思う」
戦闘の勢いで偶然を装って周囲に土壁を作ってみるとこちらを見ている視線が消えたので塞ぐことに成功してのだろう。
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