異常な現状
「ここが職員室ね」
キャラクターを保ったまま移動したのでかなり乱暴な行動ままになってしまった、移動中に黒色の制服を着た学生がこちらを見て驚いたり不思議そうに見るが話しかけることは無く距離を置いていた、そのおかげでスムーズに職員室にたどり着いた。
「失礼する」
ノックもせずにドアを開けると当たり前だが中にいる数人がこちらを注目する。
「あの、どちら様ですか、少なくともうちの関係者じゃないですよね?」
中にいるのは全員制服を着用しておらず学生らしき人物はいないようだ。
「昨日、指名手配犯がここに潜入したとの報告があった、それにより王宮から勅命により手配犯がいない事を確認するまで調査させていただきたく思う」
「ええっそんな情報は聞いてないですよ」
「当たり前だ、情報が漏れてしまえば再び逃亡するだろう、申し訳ないと思っているがいきなり訪問せさてもらった」
「はぁ……」
「疑っているようだから証拠を出そう……、しばらくはここに滞在させてもらうが泊まれるところはあるか?」
署名を見せると職員たちが驚き、ただのイタズラなどでは無いと確信し真剣な表情にかわる。
「それでしたら職員寮の部屋をお使いください、来客用のパスを渡しておきますのでそれがあれば他の人間が不信に思うことはありません」
「ありがとうございます、ところで校長はどこに?」
「あぁ失礼しました私が校長です」
対応してくれた人物が30年ほど老け込み冊子で見た校長の姿と一致する。
「なんで普通の教員に変身していたのですか?」
「聞いてしまいますか?」
「気になってしまいまして」
言いたくないようだが、姫様の署名をチラつかせるといやいやながら口を開いた。
「……実は最近転入してきた生徒がいるのですが……、その生徒の周囲の面々おかしくなってしまったのです、しかもその生徒と敵対する人物は部外者であろうと失踪するか中身が入れ替わったようになるんです、それに貴族の権力を利用してココの権力を次々と乗っ取っていきまして……、なので私は関わってしまわないように新米の教師に変装して隠れているんですよ」
「そんな事が……、しかし私には関係ない事なので関わらないようにします、その転入生が犯罪者という事はないですよね?」
「それはありません、身元や出身などはなぜか不明のままですが貴族が身分を保証しております」
「そうですか」
身元が不明というのが怪しい、もしその人が転生者なら転生した先で貴族に会ってなんやかんやした後に学校に行ってそのまま学園モノとかになるタイプだろうか。
「私は犯罪者を追うのでその者には関わらせないようにお願いします」
「はぁ、それが我々にはどうしようもないのでなんとも……」
どうやら自己防衛するしかないようだ、ひとまずはパスを受け取ってから用意してもらった部屋で腰を落ち着かせる、部屋は暫く使っていなかったようでかなりの埃が溜まっていた。
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