親子喧嘩
「そうですね、だいたい5年ぶりですかね、お父様」
大人の状態から普段生活で使っている10歳ほどの姿に戻る、服がぶかぶかになってしまうが、無理やり締め直してずり落ちないようにする。
「ずいぶんな使い手になったようだな」
普通は人は大人が子供の姿になると何かの反応があるはずだが特に反応がなく淡々としている。
「私の国に何かようですか?」
「言わないとわからんのか侵略だよ、私を殺せば進行は止まる…止めたければ俺を殺してみろ」
ユウキに対して剣を向ける。
(ユウキ、変わってもらえないだろうか)
めずらしくミネバから提案がきた。
(確かにミネバは騎士だし任せた方がよさそうだね)
(ありがとう、君の父上ということはたしかフェイシアだったよな)
(え、有名人?!)
(一応武人として有名なんだ、本当なら君が相手をするべきだろうが、できれば手合せをしてみたい)
(調べた事ないからなんとも……)
(そうなのかとにかくまぁ、でも私だけでは勝てそうに無いから手伝ってほしい)
(えぇ、なんとかするわ)
ユウキの体が20歳ほどの見た目まで成長する。
「貴方をこれ以上先に進ませる訳にはいきません」
背中に手を伸ばしてゆっくりと背骨を引き抜き剣に変形させる。
「その構えの国とはまだ交えた覚えはないのだがなぁ」
構えただけでどこの流派か分かってしまったようだ、しかもその国まで仕掛ける予定らしい。
「ここで貴方を拘束させていただきます」
「それは良くないなぁ……」
剣を両手で持ち直して真っすぐに構える。
(やばいってあれ絶対私より強いって)
構えただけでミネルバがいきなり弱音を吐く、しっかりと剣を構えているが実力が分からない相手に対して勝てるイメージが浮かんでこないようだ。
(あの足運び絶対強いよぉ、本当に援護してよね)
(私でもあるんだから援護するよ、あんたは真っ直ぐ戦いなさい!)
(痛覚とかはカットしたし傷がついてもすぐに回復するんだからガンガン行きましょう)
カルラは能天気にこの状況を楽しんでいた。
「もうどうなっても知らんぞ!」
どうにでもなればいいとばかりに叫ぶ。
「まったく……」
いきなりユウキが慌てた出したため呆れて溜息をつき、隙だらけなので真っ直ぐに切りかかってくる。
「うわぁ」
情けない声をあげつつも何とか受け流す。
(ほら頭の回転数上げてるから剣筋がちゃんと見えるでしょ?)
(それでも早すぎる!)
ユウキのおかげで周囲がゆっくりに見え、何度かの攻撃を受け流せる。
「これも流すか…」
剣を振る速度が徐々に速くなる。
(ちょむりむりむり!)
悲鳴をあげつつもギリギリのところで流し、浅いものはわざと受けてから回復する。
(ほらなんとかなってるからがんばれがんばれ)
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