連絡係のおいてけぼり
軍人は男性が多い、そのため今ユウキがいる所は比較的古い建造物を改修したものらしく、男女で分けられていないのでユウキ達が利用するために施設にある一つをユウキ達専用にさせてもらっている、ユウキだけなら前世が男だったこともあり外や共同で使用しても周りの人は気にするかもしれないが本人は気にしない。
「ちょっと私が様子を見てくる」
交代で見張りをしていたが何も起こらないのでユウキが名乗りを上げる。
「そうだな、私もこのまま連絡がつかなくて仕事が溜まる一方だろうし、ユウキなら大丈夫だろう、ひとまず様子を見て来てくれ、何にもなかったらそれでいいし何かあってもお前ならすぐ戻ってこれるだろう」
「じゃあ行ってきます」
一旦歩いて移動し、人目が無くなったところで翼をだして急いでギルドに向かう。
市街地にまでは警戒しながらある程度高度を上げて見つからないように進む、この世界では空からくる脅威は少なく上を警戒することは滅多にない、そのおかげで雲がある高さまで上がらなくてすむ。
それに見えたとしても高速で移動しているので、おおよそ見間違いかなと勘違いしてくれるだろう。
心配していたが結局誰にも見つかる事なくユウキの拠点にしているギルドに屋上に到着した。
「いったんただいまー」
「あれ、ユウキさんいつの間に……、というか戦況はどうなっているんですかレティさんとも連絡がとれていないですし!」
ユウキの姿をみて職員が慌てて駆け寄る。
「あーそのために来た」
「わかりました、とりあえずここではアレですし、とにかく人を集めて会議室で」
3分後、ギルドの会議室に人が集められ、ユウキによる現状の説明と職員による説明が行われた。
「とまぁ、そんな感じです」
手短に説明したつもりだったが職員の質問もあり時間がかかってしまった、それから職員たちの行動は早く、速攻で散り散りになり仕事を初めていった。
「………ふう」
会議室に一人の残ったユウキは出されていたお茶をゆっくりと飲みきったあと、散らばった書類やゴミを掃除してから会議室を出る。
「私じゃあ戦闘以外であんな素早い動きはできないな……」
「あユウキさん、しっかりとした文章じゃないですけど、これをレティさんにお願いしますね」
コーヒーでも飲んで一休みしようとすると職員の人に厚めの封筒を受け取る。
「……あっはい行ってきます、てか届けてからまた戻ってきた方がいい?」
「あー、いやそこは後はもう国の責任なので、レティさんに指示に従って下さい」
「あいよー、他にもレティに届けたい物とかあったりする?」
大声で他の職員に聞こえるようにしてみたが返事が無かった。
「……じゃあ行ってきます」
「お願いしますね」
国の状況がよくないのか、外にはほとんど人がおらずギルドに帰る時より簡単にたどり着いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます