第4話  卒業

魔法の書がついに開封された。無から有を生み出す、無限の魔法。

自分のすべてを分け与える事で有を生み出す。無から有を生み出す魔法。地球のすべての事象は共同作業なのだ。

上下も良いも悪いも過去も未來も関係ない。

お金という資産だけでは無い、自分が持っている知識や経験やノウハウを与える、感動を与える。そして経験とは過去であり、希望とは未來である。過去も未來も、すべてを分け与える、シェアする。そして無いは有るに変わる。自分の知識や経験、ノウハウはみんなのものとなり、みんなのノウハウは自分のものとなる。取引もそうだ。

すべてを分け与える事で感謝を頂く、その形がお金であり、ものであり、サービスであるのだ、良いも悪いも上下も無いのだ。

仮にグレートリセット、通貨価値が変わったとしても、なんら臆する事もない。取引の価値は信頼なのだ。感謝なのだ。本物の価値であり、盗まれる事も、景気に左右される事も無い。

みんながいるから個が存在し、個が確立すれば集団となり、より大きな個となる。

無が有を生み、有が無を生む。そして無がまた、有を生むというサイクルが気の遠くなるような長い年月の中で続いている。有の時代が終わり、無の時代が始まる。

今までの文明を支えたのは、確かに有の心であった。無にならないための有の心、その心が所有という概念を生み、物質的な豊かさを育み、所有は独占を生み、より大きくなった。

この独占という概念さえ無くせば、循環と共有は永遠に続く。無の心こそ永遠の有なのだ。

所有は無を恐れる、恐怖心とも取れる。恐怖心が人を駆り立てる事は確かにあるが、自発的な、能動的な行動こそ、心から真に欲しているように思える。恐怖による、支配の受動的な動機でなく、能動的、自ら生み出す、主体性のある動機。心の奥底から沸き上がってくるような動機。

自分の持っているものをすべて分け与える。永遠の循環の始まりである。

他人との比較は【有る】という中での有限の小幅な動きである。他は外なる自分であり、自分と自分を比較するようなもので、広がりがない。もちろん他との比較、コンプレックスが、エネルギーとなる事はあろう。これも結局は自作自演、自分の中だけで完結しているに過ぎない。他との共同作業で、自分の世界を広げて行く事で自分の器が大きくなっていく。他人との共同作業であるように見えて、すべて自分で自分を大きくしていくという作業なのだ。


今回のコロナウイルス騒動はどうだろうか。コロナウイルスが有とか無いとかそんな限られた、小さな話ではない。有るも無いも自分で生み出せるという事、世界は創れるのだ。


コロナウイルスが【有る】社会では、すべて管理された社会を目指していく。無駄は無くなるが、感動も少なくなっていくだろう。コロナウイルスの【無い】社会では、自立した個人の社会を目指していく。自分で責任を取らなくてはいけない代わりに、裁量、自由の幅は広がってゆく。どちらも自分に必要な現象である。


『管理から自立』もちろん自由意志ではあるが、コロナウイルス騒動を『管理社会からの卒業試験』と見る事はできないだろうか。そう、まるで学生から卒業して働く社会人のように。管理されてきた経験やノウハウを活かし、自由にはばたいてもいいのではないか。責任はつきまとうが、発想は無限大。

個人の考え方で、学生のままがいい、働いたほうがいい、それも個人でいろんな考え方もあるだろう。

今までの管理社会で生きていくのか、個人の裁量で新しい社会を創っていくのか。

そんな選択肢が今回のコロナウイルス騒動には含まれている。


そもそも学生、社会人という括りもいかがなものか。学校教育、制度自体も大きく変わるかもしれない。


【無から有を生み出す】無限の魔法の体得の為には、本音で付き合える、本音で話し合える仲間が必要ではある。本音の語らいが、新しいものを生み出して行く。他人との比較、優越感。これは旧時代の考え方。有るものを消費していく社会。価値観を統一し、一つの方向に進んで行く。権威や肩書き、資格に頼れば、一方向に進んで行くのには効率が良く、都合が良いが、多方面に進んで行くことができなくなる。まさに旧時代の考え方。

時代は確実に3次元的な平面から、5次元の立体へシフトしている。多方面から物事を

考えられれば、新しいアイデアが次々と出てくる。

旧時代のトップダウンの一方通行的な、3次元的な発想ではなく、フラットなコミュニケーションを取りながら、豊かで、生きた情報の中から、最適なものを導いていく、多次元思考。


権威や肩書きにすがれば、独占を生み、価値観も広がっては行かない。道しるべにはなってくれるのかもしれないが、先生は他に求めるものではなく、内なる自分に求めることになるであろう。先生とは自分の事であり、何でも自分でできるのだ。知識は教わるものではなく、シェアしていく。


新しい時代を創るのは、自分以外いない。他に先生はいない。

未開の時代の到来が2021年である。

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