第14話 大艦隊

 翌日俺は港をリフォームしてから

集めた難破船にリフォームを掛け港に並べてみた

相数は978隻だった

全部歴史の教科書に出て来る立派な帆船と同じである

何隻かはエンジン付き訓練帆船として残す計画もしている


波止場の先には照明が灯り夜でも接触しない様に

魔物避けの魔石と共に設置されている

何本かの波止場は大型の魔物を全て駆逐してから一般開放する予定だ

釣りや写生等の観光的需要も有るだろう


そしてウッドゴーレムまで進化した一万体のゴーレムに

警戒管理を任せた


ベ)「実に壮観です

驚きました!

これが前に言っていた鉄の船になるのですか?」


シュ)「チョットだけ違うけどな

まあ今の所最終目標はミスリル船だね

でも未来人達と交流を持てたので

何かしらの新しいシステムを考えてくれるかも知れないし」


ベ)「新しいシステムですか

全く想像が出来ません」


シュ)「お前には艦体の総指揮を任せる

船の中にリフォームで得られた運用の為の本が有る

毎日其処で学びながら寝る様にしてくれ

それと未来人が外に出れる様になったら

各種運用の仕方も学んでくれ

但し全艦が軍用船では無いぞ

軍用船は400

商船は300

漁船は300の予定だ」


ベ)「若干数が合わない様ですが」


シュ)「今から空中散歩をしながら集めて来る

後22隻集めたら丁度1000だろ

それと俺専用のため何隻か集めて来るよ」



⊛此処で時系列を一旦先送りして四日後の事だった

各港ではドルサート海峡に超大型の港が出来ており

大型船1000隻以上が係留されていると云う噂がたち始めていた

各港では商業ギルド冒険者ギルドが合同で会議が行われ様としていた

そんな中一番近くのサトラシカの港でも会議が行われ

有名な武闘派女商人アマビリアも会議に向かおうとしていた

彼女や多くの商人達が後にシュンジのため活躍するのだが

それは少しだけ先のお話


此処はとある港街の酒場での一コマ

船乗りA)「全部バカでかい船だったぞ

海賊船だったら如何する

もうあの海峡は通れないぞ」

船乗りB)「俺は軍艦と見たぞ

アマビリア様が商業ギルドの会議で議題に上げると

仰っていたぞ」

船乗りC)「近いうちに調査に乗り出すのでは?

どっちにしてもあの船の数は脅威だよな」

船乗りD)「魔王軍と云う噂も出てるぞ

だってそうだろう

あんな馬鹿デカい船が大量に係留されているんだぞ

そんな海軍力なんてどの国が持てるんだよ!?

あり得んぞ!」

A)「いや確かにお前の云う通りだ

あんな海軍力を持てる国なんて聞いた事も無いし見た事も無い」

船乗りE)「ま~あ俺の話も聞いてくれ

遅くなり夜間航行してたんだが

岩礁の様な物が100近く有ってな

灯台の様な光の棟が出来ていたんだ」

B)「マジかよ!」

船員達の間では大きな噂になっており

大きなニュースにも成り始めていた



時系列は元に戻り

俺は風魔法で空中散歩をしながら船拾いをやっている

序でに港から1000m毎に岩礁を作り出し

岩礁の上には魔石を使った灯台と架橋の柱を設置

鑑定に位置をキチンと判定して貰い予定数80個を作りながら島を目指した

二日目ともなると飛行自体も安定し速度も増していた

何故岩礁が80個かと云うと

ドルサート島を南北100K東西200Kに拡大させ

海峡の幅を二割程狭め

海峡の運行管理を若干楽にするためだ


上空100m程から海の中をみると

流石に中央付近になると海底が見えないので

サーチを頼りに沈没船を引き上げていたが

浜辺に打ち揚げられていた物依りも遥かに数が多いのだ

そして其れに比例して金銀財宝がわんさかと集まり始めている

それもとんでもない量なのだ

こうやって船拾いをするだけで下手に事業等しなくても

良いのではと感じてしまうが

次の世代に受け継がせるには島の産業や事業振興は避けては通れない


やがて島に近付くと一斉に黒い物が舞い上がるのが見えた

巨大カラスかと思ったが鑑定がワイバーンと教えてくれた

翼竜型の魔物でドラゴンとプテラノドンを足して二で割った感じだ

羽を伸ばすと約20m頭の先から足迄は約10m尾が身体と同じ位だろう

レベルは800

Sランクに近い魔物達だ

如何やら島を休憩地として使っていた様子

そして肝心の味だが

味は良く皮や内臓等はマントやポーションの材料にもなるようだ

もう~ワイバーンは最高である


シュ)「50羽位は居るな

しめしめ美味しい御馳が俺を狙い徒党を組んでやって来た

全部戴きだ!!」


俺は奴等の中心迄飛んで行き

取り囲まれたのを此れ幸いに次々と首を収納して

落下する胴体も海中に居る魔物に取られないうちに

次々と収納していった


残り20羽を切った頃

口を開け赤い炎が少し見えた


シュ)「ん!?ブレスか!

させるか!!御馳走共!!」


炎を吐かれる前に全部の首を収納で刎ねてやった


一方此方は堤防でやきもきしながら状況を見詰めるベリアル

身体を捩じらせ唸りクネクネしながら動かしていた

まあ本人も戦いたいのだろう

余程じれったいのか押さえられない気持ちが身体に表れていた

しかし随分と目が良いものだ

やはり優れた五感は獣人達の特性なのかも知れない


俺は続きを行い最終地点の80個目迄来たので

土魔法を使い島を隆起させる事にした

中央部東西に山岳地帯を連想し

標高は800mを目安とした

800mも有れば湿気を逃さず雲を発生させ雨を降らせれる

本来自然では北斜面は湿潤で南斜面はやや乾燥する

それでも川は何本か発生するし恵みもたらす


ズズズズズッと音を立てながら島が隆起を始める

急激にやると津波が発生するのでゆっくりと隆起をさせて行く

30分もすると鑑定のお知らせ機能のお陰で

予定の規模に達した事を教えてくれる

標高800m

南北100K

東西200Kの面積になったので魔力を込めるのを止めた


高度1200迄上昇し島の全容を眺めると

南斜面にはもう僅かに雲が発生していた

島の北側は米や野菜

南側は穀倉地帯や放牧地にする心算だ


次に島に対しリフォームを掛けると

一面雑草が生え収納内の雑草も使われ

緑の絨毯が敷き詰められていた

上空から見るとメチャメチャ綺麗だ


シュ)「後は明日だな

明日のリフォームで低木系も生えるかな?」


急いで港に帰るとベリアルが波止場の先端で

ピョンピョンと両腕を上げ飛び上がりながら怒っていた


シュ)「いや~~スマンスマン

鑑定が肉は美味だと教えてくれたので

遂自分一人で狩ってしまった」


ベリアルは怒りと不満たらたらだった


ベ)「私も飛ぶ方法ははないですか!

心配で心配で堪りません

もう~お一人での行動は禁止です!!

ワイバーン50頭以上ですよ

普通なら死んでます!」


シュ)「分かったから

そう怒るな

何か飛ぶ方法を鑑定に聞いてみる」


俺はベリアルが飛べるか如何かの質問を鑑定にしてみた

答えは本人が飛べる様に成れるのは

魔力量が少ないためレベル1500を超さないと無理な様だ

其処で新たに鑑定が考えたのが

森林狼をフェンリルに進化させそして更にそれを進化させると

飛べる様になるらしい

但しフェンリル迄の進化は稀に起こるが

その先の進化は起った事は無い

全く新しい進化なのである


鑑定に依れば森林狼達は俺達と仲間に成りたいと考えているので

強力はしてくれると思うそうだ

先ずはフェンリルに進化させると念話が出来るので

打ち合わせをするようアドバイスを受けた


シュ)「喜べベリアル

若しかするとお前の望みが叶うかも知れん

但し狼のボス次第なんだがな

其処は協力して貰えるか如何かは不明なんだけど」


ベ)「森林狼の協力ですか?・・・

進化に依る力受けるか如何かと云う事でしょうか?」


シュ)「たぶんそうだと思う

兎も角先に昼飯にしよう」


宿営地に戻ると既に狼達は木のデカ器の近くで寝ていた

話しを聞くと如何やら昨夜は森に帰らないで

器の近くで夜を過ごしていた様だ

既に他の狼達はプラゴーレム達と打ち解けており

一緒に行動したりし始めている

道理で夜中に魔物達が襲って来る事も無く

静かなもんだと感じていた

朝になると調理場の近くに狩られた魔物が山積みされており

狼達も熱を通した肉に馴染んで来ている様子なのだ


シュ)「俺はチョットボスと話してみるわ

まあ通じるか如何かは疑問だけど」


俺は森林狼のボスの所に行き

話し掛けてみる事にした


シュ)「なあボス

俺はお前達全員を進化させ会話と云うか

念話で語り合える様にしたいんだけど意味分からないよね?」


何度か同じ事を話し掛けていると

ボスが立ち上がり俺の体に頬擦りをしてきたので

了解したと勝手に受け止めリフォームを掛ける事にした

俺はボスの頬を撫でながら「リフォーム!」と唱えた

すると大型の馬並みに身体が巨大化し

毛色がシルバーホワイトに変化しフサフサに成ったのだ


シュ){ボス!

俺の心の声は聞こえるか!?}


ボス){あ~ぁ良く聞こえるぞ

俺を進化させてくれ礼を云う

仲間全員も進化させてくれるのか?}


シュ){ああ勿論だ

全員を集めてくれ

纏めて進化させよう}


俺は全員揃った森林狼を前に「リフォーム」と唱えた

すると全員が普通の馬並みに変化し

ボスと同じ毛並みに変化したのだ

但しボスのように大きくはならなかった


シュ){明日はもっと進化させ

念話の他に会話も出来る様にしたいんだ

好いか?}


ボ){ああ勿論だシュンジ

宜しく頼む}


鑑定を掛けてみると

ボスのレベルは1500超え

他の皆は子供や若手を除き

雌も1000を超えていた


シュ){お~おっ

全員ランクSに為ったぞ!

それに称号も付いたぞ

森の聖獣だとさ}

シュ)「ベリアル!

俺達全員レベルを追い越されたぞ」


ベ)「いや~分かります

何と無く肌で感じる強さが違いますから

全員フェンリルか~おめでとうー!!」


シュ)「今晩はお祝いも兼ねて

ワイバーンの料理にしよう!」


午後からは俺とボス

ベリアルと新名アスとが組んで

フェンリル駆けを行う事にした

他の皆にも成人したフェンリルに獣人やゴーレム達が付き

一頭一頭の面倒を見る事になった


今日は午後からはフェンリル駆け序でに予定を熟す

先ずはマーベリカの洞窟に赴き

リフォームと食料を届けるのだが

俺達がフェンリルに騎乗して洞窟に着くと

マーベリカが慌てて駆け寄ってきた

それもダッシュで


マ)「凄い!!

儂も誰かとペアーを組みたい

シュンジ殿何とかお願い出来ぬだろうか?」


シュ){ボス!

あ~あ言ってるけど

如何する}


ボ){そうだな

未だペアーを組めて無い者もおるので

十頭ばかり回そうかの}


シュ)「喜べマーベリカ

十頭程回してくれるらしいぞ」


マ)「本当か!

ボス殿感謝する」と言って俺のモフモフに抱き着くのだ


シュ)「オホッン!

ボスは俺だけの者だから

余り触らない様に」

うわ~~オレ 男の嫉妬を出しちゃったよ

昔から男の嫉妬は醜いと云われているのに出ちゃったよ

俺も小っちゃい男なのだ


この後俺はマーベリカと能々話し合い

港に船と共に合流する事にした

港から此の洞窟までは岩浜だが洞窟から先の東浜は綺麗な白砂で

魔石が小さく砕かれた物も混じり

日の光が反射し何とも言えぬ美しい浜なのだ

将来の観光プライベートビーチとして確保して置きたい


船のリフォームは拿捕船が蒸気外輪船に進化

残りの五船がフリッパー高速船に進化した





◇━━━━━━━━━━━━━━◇


 後書き


次回は登場人物等の紹介になる予定です



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