職場の先輩
この前彼氏の家に忘れ物をしたので、今日は夜勤前に彼氏の家に行っていた。
今月から彼氏は日勤になり、仕事がとても大変そうで最近は会えば仕事の話ばかりだが、私は彼氏と仕事について語り合う時間が結構好きだったりする。
彼氏の考え方は勉強になるし、自分より立場が上で顔の広い彼氏は色々な情報を知っているので、そういう話を聞くのも面白いのだ。
今日は会社で相当イラつく事があったのか、会った瞬間に仕事の愚痴が始まり、いつも通りそれを聞いていたのだが、その流れで突然ある事を思い出したようだ。
「そういえば今日の朝、T先輩から電話来たんだよね」
T先輩とは、私たちが1番仲の良い先輩である。
私は話の流れからして仕事の話だと思ったが、T先輩は昨日と今日はシフト上休みの筈だ。
そんな先輩に仕事の話が回るなんて相当な出来事があったのだろうか?
不安になって、「何かあったの?」と聞けば、予想外の返事が返ってきた。
「俺たちが職場で大喧嘩する夢見たんだって(笑)」
「えっ?」
てっきり何か大変な用事だと思っていた私は、驚きで言葉を詰まらせてしまった。
「えっ、待って?それで電話掛けてきたの?」
ようやく疑問を口にした私に対して、彼氏はあっさり「そう」と返す。
「それだけで?」
「うん」
信じられなくてつい何度も聞き返してしまうが、何回聞いても返事は変わらない。
「大丈夫?喧嘩してない?ってさ(笑)」
本当にそれだけで電話してきたんだ…と、少々呆れてしまったが、まあ心配してくれたんだろうなと前向きに捉えた。
まあ、先輩の性格的にはどちらかというと、本当にそうだったら面白いとかいう理由で電話してきてそうだが。
どちらにせよ、それだけ気軽に電話出来るほどの仲なのは羨ましいことである。
以前にも、先輩から彼氏に用事が無いのに電話が掛かってきた事が何回かあった。
彼氏と付き合ったばかりの頃、先輩が仕事の休憩中に「声が聞きたくなった」という理由だけで彼氏に電話を掛けてきたという話を聞いた時は、彼女の私を差し置いて何カップルらしい事してるんですか?と内心かなり嫉妬した。
一応言っておくが、T先輩は男性である。
付き合いたての頃は男性だろうが女性だろうが、誰彼構わず嫉妬をしていたけれど、今思えばかなり嫉妬深い女だったなあと自分でも笑ってしまう。
それに比べて今は、随分と余裕が出たものだ。
最近では嫉妬することなんて殆どない。殆どというか、全くない。
まあ、今は同じ部署にいて、いつでも話ができるからかもしれないが。
以前は隣の部署だったから、自分は話ができないのに他の人は話ができるなんてずるいと思っていたのだ。
そう考えると、私はこのまま彼氏と同じ仕事をしていた方がいいのかもしれない。
っと、少し話は逸れたが、今回の話で何が言いたかったのかというとT先輩はとても面白い先輩なのである。それでいて仕事もできるから、本当に尊敬できる人なのだ。
来週からはそのT先輩の班に行くので、今からとても楽しみだ。
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