雪にデート
一色 サラ
第1話 雪まつりに行く
地下鉄を降りて、地上への階段を上がってると、冬の澄んだ青空が広がっていく。澄んだ空気を運んでくる。何枚も服を重ねてきたが、顔に突き刺さるような風が、凍えるように、冬の寒さを教えてくる。
一歩、地面に足を踏み出す。そこは真っ白に覆われてた雪が広がって、歩くたびに、ザクザクと踏み鳴らしていく。
「お腹すいたよー」
「ほんと、そう。どこかで、何か食べてようか」
陽介は札幌の観光ガイドを開いて、お店を探している。先週、テレビで特集をしてた映像を見て、私が札幌の雪まつりがまい、その勢いのまま、2泊3日の旅行が始まった。そして、今、北海道の札幌に地に足を降ろしている。
いつものことだが、私も陽介も計画性に、いつも欠けている。そのため、行き当たりばったりの結果を生み出していく。
ホテルを予約することも遅かったために、この時期なので、札幌の駅からほど遠い場所のホテルしかなかった。
ここまで、1時間はかかった気がする。今日の朝も起きるのが遅くて、朝食のバイキングを食べそびれた。それでも、陽介は焦ることもなく、マイペースに「どうしようっか」と呑気に言っている。世間の荒波に縛られていなような陽介が好きでたまらない。なので、ホテルを出たのが、11時を過ぎてしまった。
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