第10話 狼人間の発言
9 狼人間の発言
いや、なんでしょうか?
俺、関係ないと思うんですが。
どうして俺に聞きに来たのでしょうか?
今までの人の話を聞いていて思ったことが、これ、趣旨が変わってません?なんか、人狼ゲームになっていません?老人のことなんかどうでもよくなっていません?
まだ初めのうちは良かったですよ。真面目に捜査している感じがしていて。でも、猫からおかしくなっていません?普通、猫なんかに聞かないでしょ?人狼ゲームの役職である狐がいないから代わりに猫ってことですかね?それとも、人狼役の変わり?とりあえず、猫に聞くことはおかしいでしょ。
そして、その次に霊媒師。人狼ゲームである役職ですね。ここも少し変だとは思いましたが、まぁ、まだわからないことはないですので、そこまでは気にならなかったですね。死者との対話ができるのは今回の場合いいことだと思いますので、ありと言ったらアリだと思います。
その次に娘さんに聞いたときには、普通に戻ったと思いましたよ。ところがです。次の占い師よ、これはおかしい。いや、占い師に聞くこととか存在自体がおかしいというわけではないのです。その発言がおかしいでしょ?なんですか、怪しい人を占うという発言は?まんま人狼ゲームの占い師の役割じゃないですか?現実の占い師の役割と違うじゃないですか?完璧に遊んでいません?
その次に老人ホームの職員の話になったけど、真面目な話をしてくれましたが、もはやそんな問題じゃなかったです。だって、猫・霊媒師・占い師と誰に聞いているんだと疑問に思う人たちが気になるでしょ?真面目な話なんて頭に入ってこないですよ。
そして、挙句の果てに騎士。騎士?騎士ですよ!もう、完璧に人狼ゲームを楽しんでいるじゃないですか。今の時代に騎士という役職なんてないでしょ、普通。それなのに騎士ですよ?しかも、言っていることが完璧に人狼ゲームのそれですよ?騎士の役職をノリノリでやっていますよ?どういうことなんですか?
そして、俺に聞きに来るってどういうことですか?人狼役ですか?狼男だから人狼役ですか?そのためだけに俺を発見するなんて、はっきり言って、才能と努力の無駄遣いですよ。その力をもっと別のことに使ったほうがいいですよ。
俺はクロでもないし、夜に市民を襲ったりしないし、昼間の追放会議に参加したりしないですよ。人狼ゲームに参加しないですよ。
ちなみに俺は、老人のことは知りません。
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