まだ未定

@qumumua

第1話


「おつかれ~」


月曜日の正午、気だるそうに部屋に入ってきたのは親友のキホ。


「舞桜、今日どうする?行く?」


中学2年の月島 舞桜(まお) はまだベッドから起き上がらず、布団から少し顔を出した。


綺麗な栗色の髪の毛に、カラコンやつけまつげでばっちりメイクのキホは同級生だ。


月曜の朝は一緒に学校に行くのが小学生の頃からのお決まりになっている。


「ん~どうしようかな~」


舞桜とキホは、あまり学校には行っていない。


特に何かあったわけではなく、めんどくさいとか、そういうありきたりな理由からだった。


「キホはどっちでもいいよ~。とりあえずマロン行かない?お腹空いたんだよね。」


「OK。用意するから待ってて~」


キホの提案で、同級生の母親が1人で営業している行きつけの喫茶店【マロン】に行くことになった。


舞桜は髪を整え、軽くメイクをして誰も居ない家に鍵をかけマロンへと向かった。


マロンに着くと優子ちゃん(同級生の母親)が常連のお客と、何やら神妙な面持ちで話をしていた。


「またあの子達が~」

「この前はバイク燃やして~」


注文を済ませ、いつもの席にキホと座ると舞桜たちは聞き耳を立てていた。



「今野さんの話じゃんね!あの人たちまじやばくない?」


そう興奮気味に話すキホのいう今野さんとは同じ中学の3年生で、地元では昔から有名なやんちゃグループのリーダー的な人だった。


当時は、至るところに不良が居たけどそのグループは際立っていて、行きすぎたやんちゃグループとして煙たがられていた。


「確かキホの家って、今野さんたちのたまり場近いよね?怖くないの?」


「んー、怖くはないよ!たまにコンビニで会うけど案外普通の人だよ。」


「へぇ~。私もすれ違ったりしたことあるけど、怖くて顔見たことないや(笑)」


「案外かっこいいんだよ!今日もたまり場に居たの見かけたからさりげな~く見に行ってみる?」


「やだやだ!絡まれたらどうすんの?」


「大丈夫だよ!1人だけ知ってる人いるし、そんな気にしないって!女だし!」


「ほんとにやだ!それなら私学校行くから!」


面白がるキホを懸命に説得し、私たちは久しぶりに学校に行ってみることになった

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