絶酔魔拳の師弟録! ~最強拳士なのに勇者に棄てられた私、弟子を育てて魔王討伐を目指すにゃ!~

神崎 ひなた

プロローグ

 ――センジュゴリラは己の死を確信していたッ!


(馬鹿な……馬鹿な! この俺が! 魔王十壊衆まおうじゅっかいしゅう、万掌のセンジュゴリラが! こんな、こんな小娘相手にッ!)


 未だ収まることを知らない暴虐の衝撃によって蹂躙されながら――センジュゴリラは、鮮やかに残心を決める彼女をにらみつけた!


 目の覚めるような鮮やかなビビットピンクの髪色! 揺れる! 片サイドに結われた三つ編み! 頭頂部にちょこんと生えた二つの耳は、ネコ耳族由来のものに相違あるまい!

 彼女の衣装は独特――華美な装飾によって彩られた道着! だが原型はほとんど残されていない! 下衣に至っては最早スカートである!

 長身痩躯ちょうしんそうく、触れたら折れそうなほど華奢きゃしゃ! だが道着の隙間から覗く豊満な胸は、激しく存在感を主張ッッ!! 


「貴様ァ………! なんだ、一体なんなんだ貴様はァァァァァァァ!!」


 センジュゴリラの断末魔に彼女――ローリエルは、凛として一喝! 


「絶酔のローリエルッ! 絶酔魔拳ぜっすいまけんの使い手だにゃ!」


「ロ、ローリエルゥゥゥゥッ……! おお……おおォォォォォォォッッッ!!」


 やがてセンジュゴリラは酒気と魔力の氾濫に呑み込まれ、凄まじい爆発を巻き起こしながら消滅したのだった――!!

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