幕間

記憶の呼び声

絶酔魔拳奥義ぜっすいまけんおうぎ――激火乾坤破槌炎げっかけんこんはついえんだにゃーーッ!」


 そう、その声を聴いたところまでは覚えている。

 次の瞬間、今までに感じたことのない馬鹿みたいな衝撃がやってきて、真っ暗になった。いきなり電源が落とされたみたいに、何もかもが終わってしまったような。

 きっと、死ぬ時はこういう風に死ぬんだろうな――と。

 ずっと思っていた。だから、何も驚くようなことは無かった。今、それがやってきたというだけの話だ。


(死ぬ――か、そうか、俺は、死ぬのか――)


 なんだろう、どこかで――いつかどこかで、同じような事を思ったような気がする。

 あの時は、どうなったんだっけ……。


「可哀想に。そのままでは死にますよ」


 ――いよいよ幻聴まで聞こえてきやがった。

 人のこと好き勝手言いやがって。全く、懐かしいったらありゃしねぇ。


「お前――どうせ死ぬなら、この私のために死になさい」


 分かってるよ。だから、こうして頑張ってるじゃねェか……。

 あァ……そうだ。そうだった。

 お前に初めて会った時も、こんな風にボロボロにされて死にかけてる時だった……。


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