幕間
記憶の呼び声
「
そう、その声を聴いたところまでは覚えている。
次の瞬間、今までに感じたことのない馬鹿みたいな衝撃がやってきて、真っ暗になった。いきなり電源が落とされたみたいに、何もかもが終わってしまったような。
きっと、死ぬ時はこういう風に死ぬんだろうな――と。
ずっと思っていた。だから、何も驚くようなことは無かった。今、それがやってきたというだけの話だ。
(死ぬ――か、そうか、俺は、死ぬのか――)
なんだろう、どこかで――いつかどこかで、同じような事を思ったような気がする。
あの時は、どうなったんだっけ……。
「可哀想に。そのままでは死にますよ」
――いよいよ幻聴まで聞こえてきやがった。
人のこと好き勝手言いやがって。全く、懐かしいったらありゃしねぇ。
「お前――どうせ死ぬなら、この私のために死になさい」
分かってるよ。だから、こうして頑張ってるじゃねェか……。
あァ……そうだ。そうだった。
お前に初めて会った時も、こんな風にボロボロにされて死にかけてる時だった……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます