第14話 この世界の海は超危険?


トリスはレイラ母さんの弟なだけあって、かなりのイケメン男だ、


コールソンは、茶髪をセンターで分け、爽やかな印象なのだが、トーリーと同じで、口を開くとかなりふてぶてしい性格のようだ。


ソアラは、赤髪をポニーテールにしている、目が細く、ツンツンしてそうな顔だが意外と気さくな女性だ


エブリンは、茶髪のロブカットで、かなりのくせっ毛で、ぱっちりと大きな目に天真爛漫な性格も相まって、すぐ噛み付く小動物的な人だ


ブルックは、金髪のショートヘアで胸元に2つの小山を抱え、頼れるお姉さん的な人だ、



俺は自己紹介を終え、早めの昼食を食べながら喋っていた


「へー、じゃあ皆は、父さん達が帰ってくるまでこの町で働きながら居候するの?」


「あぁ!そーなるな!」


「田舎に行くと、宿がないことなんて良くあるのよ、馬車とか、野宿もザラっていうか、止めてもらえる方が珍しいわね」


「へー、そんなもんなんだね」


「うん、でも、そーゆーのはきついけど、旅は楽しいから辞められないのよね!」


こんな田舎領に、冒険者が来ることなんか本当に稀なので、俺は5人に質問しまくる!


周りの野次馬たちも、興味深々にトーリーたちの話を聞いている



「なら、海も行ったことあるの?」


「あぁあるぞ! 商船の護衛依頼を2度ほどな!」


まじか、この文明力だと、初期も初期の帆船だろ、リアル海賊とかいんのかな



「船旅はどうだった?」


「ただただ辛かったな、」


「ええ、ずっと揺れてるし、食事にも限りがある、風しだいでは予定通りの航海なんてなかなか難しいし、何より魔物が多い!」



「え?そうなの?」


「あぁ、奴ら群れで生活するのが多くてな、大量の魚の魔物が一斉に突撃してきたり、大型の魔物に船を沈められるなんて珍しくもねぇらしいぞ!」


まじか、クラーケンとかいんのかな? 海賊映画のあんなんがいるのなら、船なんかひとたまりもないだろうな



「なんだ?興味あんのか?」


「まぁ、メルヴィス領は内陸だからね、船旅は嫌だけど、海を見てみたいっていうのはあるよ」



一通り話した後、俺は酒場を出る



「冒険者って馬鹿でもなれる職業だと思ってたけど、結構大変そうだな、」



ボードゲーム制作をやってる木工店に行く


ーーー


「コルトン、調子はどう?」


「レイモンド様、もう大変ですよ、町の連中皆欲しいって言い出して、今は落ち着いてきましたけど、将棋のコマが大変ですね」


「そんなに大変なんだ」


「ええ、臨時で人を雇うくらいにね、」


「まじかそんなになんだ、」



いきなり人増やして大丈夫なのか?



「でも、ジュードと話し合いましたけど、あいつもあいつで、販路拡大するってんで、うちより奥の領地の分は作ることになるんで、当分は食いっぱぐれることは無いですよ」


「なら良かったよ、まぁまた何かあったら来るからよろしくねー!」



様子を見に来ただけなので、すぐに出ていく



「よしよし、俺の稼ぎが増える!」



ボードゲームは、行商人であり商会長のジュードと契約をしている、内容は


売上の2割をメルヴィス家に入れるというもの


ちなみに、開発者である俺の名前は伏せるようにお願いした、なんかあっても面倒だしね



「これで不労所得生活に1歩近ずいたわけだ!」


俺はほくそ笑みながら雑貨屋へ行く


ーーーーーー


「ばあさんいますー?」


「おや、レイモンド様じゃないかい、なんか用かい?」



声をかけると、老婆姿のエルサーラさんが奥から出てくる


てかこの人、わざわざ口調変えてんのか?



「うん、魔道具の事を聞きたくてね」


「なるほど、すまないが魔道具については教えられることはないな」



魔力を触媒に動作させる道具を『魔道具』という、屋敷の明かりもほとんどがライトの魔道具を使っているのだ



「ここにも売ってたから、ばあさんなら作れると思ったんだけど」


「ふふっ、これは王都から買っとるやつだな、そもそもエルフは魔力量に事欠かないからね

大体のことは魔法で出来るから道具自体に疎いのさ」


「なるほどね、種族が違うとそーゆー事もあるのか、面白いね」



まさか種族間でそこまでギャップがあったとは



「まぁ魔道具なら両親に聞くといいよ、って今は王都かい」


「まぁ、トーリーに聞いてみるよ、ほら、今来てる冒険者!」


「あんたの叔父かい?」


「あれ?知ってるの?」


「この町は狭いからね、すぐに情報が広まるのさ、それにメルヴィス家の人を悪く言う人間は、この町にはいないからね」



さすがは田舎の情報網か、舐めてると寝首をかかれるな



「貴族家のものとして、領民にそう言われるほど嬉しいことは無いね」



ライル父さんとレイラ母さんが1から作り上げた領民との信頼を、壊すようなことはしないようにしないとな



「あ、そうえばここって乾燥キノコとか置いてたよね?」


「あぁ、キノコは乾燥させた方が上手いからね」


「いやー、いまマールおばさんのとこでスパゲティ売ってるでしょ? あのパスタ麺を乾燥させて、乾燥麺を作って欲しいんだよ」


「あれを乾燥かい? なるほどね、」



お、わかってくれたっぽいな



「それにしても、アンタは本当に4歳児かい?」


「まぁね、だって持ち運べると便利そうじゃん?」


「まぁ、ぼちぼちやってみるよ」


「急いでるわけじゃないし、色々試してみてよ」


エルサーラさんに挨拶して、また酒場に向かう



ーーーーーー


「おう、レイ! 氷頼むよ!」


酒屋に入るなり、トーリーに氷を要求される


「ほいよっ!」


「坊主、氷魔法使えんのかよ!」


「てゆうか、さらっとコップに入れたけど、大きさ指定して、狙った場所に魔法を発生させるのって滅茶苦茶ムズいよね?」


「ええ、私にはコップに入れれるほど少ない水を狙った場所に出すなんて出来ないわよ、」


「レイモンド様、今のどうやったんですか! 他にも魔法使えるんですか?!」



エブリン、近い、てかなにこの反応、そんなに凄いことしてないだろ



「こらエブリン、レイモンド様が困っているでしょ!」


「ご、ごめんなさい、つい」


「まぁ別にいいよ」


「それで、レイモンド様は他にどんな魔法が使えるんですか?」



ブルックも気になってたんだね、



俺は火、水、土の魔法で、それぞれドラゴン、小鳥、ゴーレムを作り出し、戦い会う劇を披露する



「こんな感じだけど」



「わ、私よりも操作が上手い、私、魔法には自信あったのに。4歳児に負けた…」


「ええ、あんな神業私にも無理よ、」


「まぁ、姉さんと義兄にいさんの子だからな、常識は通用しないだろ」


「「た、確かに。」」


ライル父さんとレイラ母さんは、そんなに凄かったのか?


普段の姿からは想像つかん。



落ち込む魔法士2人を横目に、両親について考えるのだった

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