第178話 浴衣美少女が多い

 川遊びが始まりしばらく、みんなでワイワイは続いており。再合流した七和先輩。六石も加わり。その後は岩場から飛び込んでいる石見先輩や蓮華寺さん。六石がいたり。

 結崎はなんやかんやで俺の隣にいて、長宮さんにいろいろちょっかいかけられていて……って、余談だが途中で足を滑らせた長宮さんを、たまたま隣にいた俺が抱えるように助けたら。結崎の視線が冷たくなったのだった。

 ちょっとだけね。いやいや怪我されたらだからそこは助けないとでしょなのだが――何かダメだったらしい。

 なお、その光景を見ていた蓮華寺さんは面白がっており。長宮さんがその後蓮花寺さんにいじられていましたとさ。

 このことに関しては、石見先輩。六石、七和先輩は……気が付いてなかった。気が付いてないなら何も言わないである。言う必要がないからな。


 そんなことがありながら。俺たちはしっかり川で遊んだのだった。まあでも川は気持ちよかったな。いろいろあったが。そして気が付けば今は夜。

 現在は部屋にてみんなくつろぎ中である。というか。川でみんな弾けすぎて動けなくなっているだった。いや、体力というか、めっちゃみんな動いていたからな。遊びで。だからだろう。みんなだらけている。これはこれでいいんだが。くつろいでいるだからな。ちなみに俺の横でも。


「いや、死にかけたー。楽しかったが――はじめは死にかけた」


 六石が伸びていた。


「結局六石は終始七和先輩に巻き込まれたな」

「何度蓮花寺や長宮に殺されそうになったか――」

「七和先輩の作戦に全て引っかかるからだと」

「いやだって――七和先輩いきなりってか――もしかして俺気に入られてる?」

「——知らん」


 そういえば、七和先輩は六石の勧誘?だっけ?うーん。忘れた。まあいいだろう。なんか起こるなら起こっているだろうし。2人でなんか人がいじめられてるところとか見ていた気がするし。


「ってか、松尾も楽しんでたなー。あのクラスのトップグループと普通に」

「あれは――いじめだろ……乗られるは。沈められるは。マジで死ぬ」

「いやー、見てるとめっちゃ楽しんでる感じだったぞ?周りの人は」

「周りだろ?」

「ああ」


 そうそう現状説明中だったな。俺の横でも川遊びで疲れ切ったらしく。食事のあと六石は伸びつつ俺に話しかけてきているってところだな。

 そして俺も壁に持たれつつ伸びている。いや。マジでスタミナ。体力使ったよ。なのでしばらく食後の休憩ということもあったが。男性陣はのんびり。ちなみに窓際では女性陣が楽しそうにおしゃべり会となっている。飲み物やらお菓子やらやら盛り上がっているのでそっとしておこう。


 そんな感じでのんびりした後男性陣は『風呂に行くか』ということになり。女性陣は女性陣で、まだこの時は話していたため。俺たちは先に風呂へ。どうやら露天風呂があるらしいのでそちらへと向かい。しばらく風呂を楽しんだのだった。


「ヤバいなー。ほぼ貸し切り最高じゃん」


 風呂から出た後。脱衣所でそんなことを言いながら置かれていたマッサージ機に座っている六石。大変気持ちよさそうである。ちなみに俺はというと、旅館の浴衣に着替えているところだ。

 別にサービスショットとかそんなの希望してないので、七和先輩。もし盗撮しているのなら即消すこと――って、ここでそんなことしていたらマジで捕まるのでしていないと思いたいが。ってか、浴衣は浴衣で、涼しげで超いい感じである。これ家でもありな気がする。こういうの安く売ってないかなー。などと六石と話しながら思っていた俺だった。それから六石のマッサージ機堪能が終わると俺達は部屋に戻った。すると。


 ――ガチャ。


「もぬけの殻だな」


 部屋の鍵を開けた俺の横を通過して六石がつぶやく。


「みんなも風呂かな?ってか、部屋の鍵複数なかったら入れなかったな」


 俺がドアを閉めつつ先に入っていた六石に声をかける。


「あっ、確かに。まあそれならそれでマッサージ機独占するだけだがな。あれめっちゃ足気持ちよくなったわ。松尾もすればよかったのに」

「まあまた機会があればね。今は部屋でのんびりでいいよ。水分も欲しいし」


 そうそう。水分水分だよ。露天風呂満喫したはいいが。飲み物欲しくてね。ということでまず飲み物を俺は飲む。


「にしても改めて良いところだな。露天風呂とか――久しぶりだったわ」

「一応誘ってくれた石見先輩には感謝しとかないとな」

「だな。マジでちゃんとお礼言っておかないとか。っか、露天風呂は朝にもう一回行ってくるかな」

「それはご自由にだな。っか――女性陣。散らけて出て行ったんだな」


 俺は飲み物を置きながら部屋の様子を見つつ言う。先ほど俺達が出て行った時。女性陣。結崎達はみんなで楽しそうに飲み物を飲みつつお菓子を食べながら話していた。

 そして今は、ホントつい先ほどまで女性陣が話していたのではないだろうか。という感じのまま風呂に行った。という状況が窓際にはあった。

 多分戻ってきたらまた話すから、そのままで、となったのだろう。石見先輩とか『片付けとかいいじゃん』って言って風呂に行きそうだからな。七和先輩の行動はさすがにわからないが。長宮さんは石見先輩についていきそうだし。

 結崎はそれに負けて引っ張られていく。そうだろうな。ちなみに蓮花寺さんはどっちにも――という感じで楽しそうに付いて行ったとみた。


 ってか。風呂へと行くのはいいのだが。着替えなどを出したであろう。カバンを部屋の真ん中に放置はやめてもらえないかな。今回は男子も同じ部屋に居るんだから、物が無くなったとか騒がれたら男子負けるじゃん。俺がそんなことを思いながら自分の荷物のところで片付けをしていると。


「っか。荷物漁ってくださいと言わんばかりにそのままだな」


 六石も同じことを思ったのか、俺と同じく自分の荷物のところへと移動しながらそんなことをつぶやいていた。


「六石」

「うん?」

「触らない方が身のためだぞ。絶対」

「まあだろうな。でも今ならバレない気がするがな」

「いやいや、わからんぞ。触った。近寄ったとかもバレるかもだし」

「何でだ?」


 いやいやさすがに居ないからバレないだろう。という感じで六石が言いながら俺を見ていたが。これは俺の経験上となるが。ここに居る方々はだからな。

 なので俺は『例えば――』とつぶやきつつ。立ち上がり。

 はじめこの部屋に来た時に石見先輩が確認していた押し入れの前へと移動して、えっと確かここには……布団が入っているところだな。まだ布団は出てないが、石見先輩くらいなら入れるだろう。


「石見先輩の罠がもしあると、実は風呂に行った。と見せかけて、こういうところに隠れていて見ている。聞いている可能性がある――」


 そんなことを言いながら俺がまあないだろうが。と思いながら押し入れを開けてみると――。


 ガラッ。


「きゃあ!?」

「バレた!」

「ひっ!?」


 マジかよ。だった。一瞬心臓止まるかと思った。びっくりした……。

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