第132話 夏休みが――消える?17
水浴びをして、予想以上にずぶ濡れになったため。乾くまでは時間がかかったが。さすが強い日差しだ。夏の太陽は最強である。ちょっと強すぎる気がするが――現在俺と石見先輩。長宮さんは図書室へと戻って来れていた。
まだ完璧には乾いてないが、でも、ぱっと見わからないレベルまで服も乾いていた。マジで太陽すごいわ。なんか違和感はあるが――それは仕方ない。いろいろあったし。
ということで図書室に戻って来たので作業再開――となるのが普通かもしれないが――本日の図書室での作業は終了となっていた。
理由は、ぱっと見は乾いている3人だったが。全身ずぶ濡れに近かったのでね。やっぱり帰ろうという話に先ほど歩いている時になったのだった。
これによりまた夏休み中に図書室へとやって来ることが確定した。そういえば荷物運びとかも残っているのでね。もしかしたらまだ数日夏休みはつぶれるのかもしれない。
図書室へと戻って来た後はパパっと片付けて、本日は解散。となるのかと俺は思っていたのだが。
「よし。今からゆえちゃんところに乗り込もう!」
「あっ、それいいですね。ゆえにちょっと着替え借りて――今日の出来事話さないと」
「——いやいや何を突然言い出すのか。自分の家に帰りましょうよ」
なんかおかしいな。先ほどはやっぱり濡れたから着替えようみたいな話をしながら校舎へと入って来たのだが。なんか今は石見先輩が結崎の名前を出してから。長宮さんもその気になって、って、石見先輩。あなたは学校から歩いて帰れるのでは?わざわざ電車に乗る必要なのでは?長宮さんは、微妙か。いつもほどは人は電車に乗ってないとは思われるが。どっちが良いんだろうな。自分の家にパパっと帰るのか――お客の少ない方へ乗って友人にヘルプ。ってか、もしかして結崎の家に行く方が長宮さんは近いのか?などといろいろ思いつつ俺がつぶやいているうちに。
「まずはゆえちゃんに連絡」
「あっ。私します」
「じゃお願い」
「ゆえゆえ――えっと、ゆえは……と」
話は進んで行き。長宮さんがスマホを取り出して多分結崎へと電話をかけていた――が。
「——出ない」
以上長宮さんの回答でした。どうやら結崎電話に出れる様子ではなかった様子。
「えー、なんで?私もかけてみる」
長宮さんのチャレンジが失敗したすぐ後。石見先輩も結崎に電話をかけるべくスマホをいじっていたが。って、その隣で再度スマホをいじる長宮さん。画面をタップしまくっているので、あれは電話ではなくメッセージだろう。
「出ない!」
「……返事ない!」
「……2人は何してるのだか」
少しの間2人が結崎に連絡をしまくる。という時間がったのだが――結局結崎が捕まることはなかったらしい。
まさかだが、お2人とも結崎に避けられてません?何かしたのではないですか?などなどと俺が思っていると。
「「そうだ!彼氏(旦那)連絡してみて」」
「……2人ともがおかしなことを言っている」
「早く」
「松尾君早く」
「——なんでこんなことになっているのか」
いろいろ言いたいことはあったのだが。2人の監視されながら俺もスマホを操作する。って、先ほど2人が裂けられているのでは?と思っていたが。もしかしてその可能性俺にもあるのでは?などと思いつつ。スマホを操作して結崎に電話かけているが――はい。繋がりませんでした。
「繋がりませんね」
「何で?」
「俺に聞かれても――」
「もしかして松尾君。私たちの知らないところでゆえと大喧嘩……」
長宮さんが疑いつつ聞いてくる。って待て待て。
「ちょちょ、何もなし。むしろ2人からの連絡にも出ないということは――スマホから離れている。または電話に出れない状況なのでは?2人電話とかすぐに気が付かないことあるでしょ?」
「まあある下手したら翌日だねー。あっ、後輩くんからならすぐに返事してあげるかも?」
「私は相手したくない奴からだったら気が付かなかったことにする」
「……う、うん、まあいいか」
とりあえず結崎に連絡を取ろうとした3人結崎を捕まえることは出来なかったのだった。なので、本日はここで解散。となるのかと思ったが。
「よし。乗り込もうか」
「賛成です」
「昨日ゆえちゃん私のところに来たからね。今日は逆。うん。OKでしょ」
「ゆえの部屋漁ろう!」
「おー」
盛り上がる石見先輩と長宮さん。
「……なんでそうなるのか」
2人の話を聞きつつ俺が『結崎――マジで大変だな』などと思いつつ。つぶやいたところで、本当に予定変更はなく。2人は結崎の家へと向かうらしく行動を開始したのだった。
ってことで――俺は関係なので帰りましょうかね。などと思ったのだが。
「松尾君も来ること。夏休みなんだしいいでしょ?」
「いや、俺も着替えたいのですがね――結崎のところ行っても俺は意味がないというか」
逃げるを選んだはずが――長宮さんに即捕まったのだった。2人は結崎のところに行けば着替えれるかもしれない。でも――俺はね。無理だよね?着替え無いよね?
「ゆえに借りたらいいじゃん」
「長宮さん。おかしいことを言っていますが――」
「大丈夫でしょ?意外と松尾君似合うかも?」
「似合わないからね?って何をさせようとしているのか」
「松尾君の恥ずかしい写真をゲットしておいていつでも召喚を可能にしようかと」
「長宮さん暑いからちょっと疲れてるのでは?」
「OKOK。元気元気」
「……重症だな」
はい。長宮さん暴走中。暑いからね。いろいろ考えがぶっ飛んでいる様子。
「わかったわかった。じゃあゆえちゃんと連絡がつくまで後輩くんの家行こうよ」
「——石見先輩も何を言い出すんですか」
「いや、ゆえちゃんがさ。松尾君自分専用の離れに住んでるってそういえば昨日教えてくれたなー。って思い出して。見たくなった」
「……結崎何を話した」
マジでだよ。結崎よ。何で俺の話を石見先輩としているのか。俺の個人情報が漏れているよ。住んでいる場所くらいは漏れてもいいんだけどさ。細かく漏らすなよ。大変なお方に。
「自分だけのマイルーム持ってるまでは知ってる。えっと――庭?畑にあるんだよね?そこで遊べそうなことと」
「——まあ庭ですね」
「あっ。松尾君ところ。畑もあって。遊べますよ。花火も出来ますし」
「おお。楽しそう。ちなみに私の家も庭で花火やバーベキュー余裕でできるよ」
「いいなー。いいなー。何でみんな土地そんなに持ってるのー。ってか、確かに松尾君ところに乗り来んで――ゆえに松尾君は預かった。の方が通じるかも」
「長宮さんおかしなことをポンポン発言しないでください」
この2人の発想力が怖い。
「あっ、ってか。2人も今度うちに遊びにおいでよ。ウエルカムウエルカムだよ。ってことで、今日は後輩くんのところか、ゆえちゃんところに行こうかー。親に連絡しとこう」
「あっ。私もしとこ」
すると2人は再度スマホを操作して。カップラーメンも作れないだろう時間で。
「よし。OK」
「こっちも問題なーし」
「……早いな。マジで」
本当に親の許可を取ったのか。この2人――今日は家に帰る予定は無くなったらしい。
「じゃ、乗り込もう!」
「おー」
「……誰かこの2人止めてくれ」
俺のつぶやきには誰も返事をしてくれず。その後2対1では俺はなすすべなく。2人に引っ張られるかのように図書室を後にして。
って、そうだよ。なんかいろいろ話していて。まだ図書室に居たというね。外よりかはマシだが。そこそこ暑い中何を俺たちはしていたのか。それから俺たちは職員室経由で学校の外へと出たのだった。
あっ。そうそう、明日も図書室登校が少し前に決まりました。帰る際に職員室前で再度楚原先生が居て。パパっと石見先輩が話して決定していました。
俺は、巻き込まれただな。俺の予定確認なく決まっていたんでね。俺は常に予定なしだから問題ないが――マジで夏休みがである。
とまあそんなことがあって、今は高校前駅へと俺達3人は向かっていた。日差しは強い。濡れたところはホント完璧に乾いたという感じだな。
「後輩くん後輩くん」
「なんですか?」
「後輩くんのおばあちゃん超料理上手なの?」
「どこ情報でしょうか?」
「ゆえちゃん!」
結崎。話しすぎ。ちょっと怒るぞ?というかなんだろうな。仕返しするぞ?
「——ですよねー。って、めっちゃ無駄に俺の話ばかりしていたですか?どんどん俺の情報が漏れている気がするんですが――」
「ゆえちゃんに話さないなら、恥ずかしい!姿を写真に撮って後輩くんにばらまく!とか言ってね」
あっ、なるほど、脅されたか。それなら――結崎は悪くないか。って、俺甘い?結崎に甘い?いや、甘いというか。相手が問題だからな。結崎は悪くないな。
「……マジで結崎大変な人の相手してたんだな」
「ちなみに松尾君。ゆえちゃんの寝顔見たい?」
「……石見先輩。それ結崎知らないですよね?」
「うん。知らないね」
「——バレた時何が起こっても知りませんよ。早めに消しておいた方がいいかと思いますよ」
「その場合後輩くんに助けを求めるから。って、後輩くんいいの?結構セクシーショットだよ?」
「そんな危険な物に巻き込まないでください」
「はいはい!私見たいです」
「長宮さん――」
「OKOK」
「……」
高校前駅へと向かう途中。俺の横では同級生と先輩が、ニヤニヤというのだろうか?怪しい笑み。笑いか。犯罪者――というとだが。それに近い何か企てているような様子だった。
そんなこんなで高校前駅へとやって来ると。ちょうどやって来た田園方面の電車に俺たちは乗りまして、ちなみに乗客3名。俺達だけでした。
時間的にね。あと学校が休みということが大きい様子だ。それから俺たちは公民館前駅ですぐに降りたのだった。
いやね。2人がもしかしたら家で倒れているかもしれないなどなど。いろいろな妄想?想像?とにかく何か理由を付けて乗り込みたかったのか。心配――している感じはほぼ0%。楽しんでいる感じ100%で、電車を降りて結崎の家に向かって歩き出したのだった。
そして、公民館前駅から少し歩いて、俺たち3人は結崎の家へと到着したのだったが。結果から言っておこう結崎は本当に留守だった。
ピンポン――ピンポン。
石見先輩が何度かインターホンを押していたが反応なし。これは――出かけているのでは?
「もう。何で居ないの?」
「いや、電話に出なかった時点でこの可能性はあったかと」
「松尾君。何とかしてよ」
「何とかならないでしょ」
「じゃこうなったら」
「だね」
「うん?」
「「松尾君(後輩くん)の家に行こう!」」
「……」
はい。再度移動が決定したのだった。
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