第110話 駅で休憩2

 高校前駅でずっと話をしていた結崎、長宮さん。石見先輩。その終わりを告げたのは、石見先輩だった。それも唐突にだったかな?

 ってか、俺も帰ろうと思えば帰れた気がするが。とりあえず最後まで居ましたとさ。とりあえず、唐突に解散となった。


 俺がこの3人いつまで話しているんだろうか――と思いつつ見ていたら。


「——じゃ、後輩くん明日8時集合ね」

「早い――っていきなりですね。って夏休みなの――そんなに早く来て図書室開いてます?」


 石見先輩がいきなり俺の方を見てそんなことを言ってきたのだった。


 いや、ほんとに唐突だった。俺は、まだ結崎や。長宮さんと話している。と思っていたら。話の区切りがいい感じだった?というのか。そもそも俺は、聞いているようでちゃんと聞いてなかったというか。なんか個人的には聞いてはいけないような会話が聞こえることが多々あったので、あまり3人の方に意識を置いてなかったので、俺としては唐突に話が飛んできた。という感じだった。

 でも結崎、長宮さんの雰囲気からも、話が一段落したタイミングでそんなことを言いだしたようだった。


「先生には許可取ったから。ブイ!」


 そう言いながらブイサインの石見先輩だった。って声でもちゃんとブイと言うという。ちょっとかわいいな。


「いつの間に……石見先輩ホントいつの間に楚原先生と話した?」

「後輩くんが廊下掃除している時だね」

「保健室に行ったのでは――?」

「その帰りにねー。早く帰ると――お片付けのお手伝いがあるかもだったから。進捗状況の報告と明日の活動開始時間相談してきた」


 なるほど、あの時一時的に石見先輩が消えたのはそういう事か。


「……何というか。うん。まあいいや」

「ってことで、ゆえ。久しぶりにうち泊まりにおいで、うん。1人暮らしで昨日から泣きつかれたんでしょ?」

「いや、泣いて……ないですから。むしろ――今の時間の方が疲れました」

「うんうん。つらかったね。お姉さんが今日は聞いてあげるから。それに一人大変でしょ?おいでよ」

「——いろは先輩。話し聞いて」

「さあさあ久しぶりにいらっしゃい!だよ」


 明日の連絡事項が終わると、石見先輩はまた結崎に声をかけていた。って―、の2人会話成立してる?だったが。そのまま結崎は石見先輩に捕まったのだった。

 いろいろありそうだが。でも石見先輩のところなら結崎がゆっくり?できる――いや、それはわからないが。でも一人よりは石見先輩の家族と接点あるみたいだし。たまにはいいのでは?などと俺が思いつつ2人の話を聞いていると。


「で、語ろう。後輩くんに関して」

「えっ!?ま、松尾君に関して?」

「そうそう」

「な、なんで……?」


 石見先輩がそんなことを言いだしたので――結崎が恥ずかしそうに反応して俺を見てきたのだった。って、俺もいきなり名前が聞こえてきたので2人の方を見たのだった。すると石見先輩が楽しそうに。


「いや、だってここは面白くするために。ゆえから後輩くん奪い取る。とかの方が面白いでしょ?」

「—―えっ!?」

「……なんかまた言いだしたよ。この先輩」


 俺が呆れつつつぶやくと――。


「おお、これは面白いことに――澪居たら良かったのに」

「長宮さんも意味わからないことで盛り上がらない」

「ってか。松尾君。ゆえと付き合うんでしょ?」

「えっ――あぁー……」


 飲み物を飲み干した長宮さんも話しにまた入って来て俺にそんなことを聞いて来た。って、そういえば俺は俺でちゃんと返事してないような……と思っていると。


「それはさせないよ!」

「—―なっ!?」


 俺が結崎の方を見ようとしたタイミングで、石見先輩が俺と結崎の間に入って来たのだった。もちろん結崎も驚いている。と俺が思いつつ石見先輩を見ていると。


「だって。後輩くんと1日しかまだいないけど今日、めっちゃ楽しかったし。しばらく私も後輩くん頼るからさ。うん。ゆえ。勝負勝負」

「え、えっ!?」


 なんか言いだす石見先輩だった。ちなみに余談だが。長宮さんも面白そうな顔をしてこちらを見ている。


「……石見先輩。意味わからないことを言って、場を混乱させないでください」

「えー、まあいきなり来た私がとやかくは――だけど。うん。結構今日1日楽しかったからー。うん。別に2人この場で付き合う宣言してもらっていいけど。多分私今の雰囲気ならすぐに後輩くん――寝取るよ?」


 何をこの先輩は笑いながら。楽しそうに言ってるんだよ。


「……石見先輩。そう言うのが楽しいだけでしょ」

「うん!めっちゃ楽しい!」

「……」

「……」

「面白い先輩だなー。うんうん。そして面白くなってきた!澪にも報告しとかないと」


 結崎は――多分石見先輩という人をちゃんと知っているから。特に何も言わずに呆れ顔というか。あれか。既にお疲れモードだった。

 俺は、1日だが何となく先輩の理解をしたので――うん。呆れていた。この先輩は大変だと。

 ちなみに長宮さんは、めっちゃ楽しそうにしていた。


 にしても、さっきから俺たちは駅前で何をしてるんだよだった。地味に暑い中さ。ってめっちゃ暑いよ。陰には居たけどさ。夏休み。夏なんだよ。夕方でもまだ暑いんだよ。などと俺は思っていたのだった。

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