第106話 クラスメイトと掃除2

 現在廊下で収拾がちょっとつかなくなってきた。というとこっろだったのだが。突然長宮さんが叫んだのだった。


「あ―!思い出した。弁償!」


 どうやら思い出したらしい。長宮さんはそんなことを言い。俺達がなんやかんやと廊下で話している間。どうしたらいいのか、という感じで小さくなっていた六石を見たのだった。


「—―ひっ」


 六石はというと、さらに固まった。怖いよ。長宮さん。怖いから。


「服代!弁償!即!」

「—―ご。後日で――」

「そうやって逃げるんでしょ。どこの誰かも知らないんだから」


 長宮さんがヒートアップ。と、なりつつあったので俺はそこで。


「「長宮さん(奈都)クラスメ――」」


 ――うん?あれ?今なんか俺と同時に同じことを言った人居なかった?と思いつつ俺は声の方を見ると――蓮花寺さんと目が合った。


「あれ?蓮花寺さん――知ってたの?」

「うん。知ってた。奈都がいつ気が付くかなー。って、なんか知らないけど勝手に全く知らない奴みたいな感じで怒ってたから。面白いしそのまま見てた」

「……早く言ってあげましょうよ」

「松尾もすぐ言わなかったじゃん」

「いや、タイミングが――うん」


 どうやら蓮花寺さんは六石をちゃんと知っていたらしい。って、蓮花寺さんいろいろ楽しんでるな。


「えっ?クラスメイト?誰が?」

「彼です」


 彼がそう言いながら六石を見ると。


「嘘ー。はじめてみた気がするけど――」


 まだ信じてない長宮さんだった。とりあえずそんなことがあってから。


「クラスメイトならいつでも捕まえれるけど。早めに弁償。OK?」

「あ、はい」

「倍返しで」

「長宮さん。落ち着いて」

「何松尾君払ってくれる?」


 ニコニコの長宮さん。ちょっと笑顔が怖いよ。


「そのパターンで来たか」

「あっ。そっかー。松尾君。六石?の代わりに弁償してくれるなら。どっか夏休み連れてってよ。長い休みなんだから」

「それ弁償代以上の出費……ってなんでそうなるかな」


 俺と長宮さんが謎なやりとりをしていると。


「あっ、いや、弁償はすぐできるから――その……明日とかでも長宮が居る時に――」

「長宮?六石にそんな言われ方されたくないんだけど。長宮様でしょ」

「—―」


 様ですか――と俺が思っていると、六石再度のフリーズだった。ってか、長宮さんいつの間にお嬢様キャラというのか。女王様キャラ?いや、変なことは言わないでおこう。でも――少しくらい言っておいた方がいいかと俺は思い。


「長宮さん。いろいろおかしい」


 そう言うと。


「松尾松尾」

「うん?」


 蓮花寺さんが俺の横に来て話しかけてきた。


「実はねー。奈都ね。パンツまで濡らしたみたいでね。今履いてないから、短パン脱がしたら赤ちゃんみたいに泣くよ?」

「—―澪!?それ言わなくていいよね!?」


 蓮花寺さん。マジで楽しんでいるというか。楽しい事しか今は考えてないらしい。


「だってー。女王様奈都より。泣きわめくガキの方がかわいいよ?」

「澪。さらっと私の事ガキって言ったよね!?」

「何脱がそうか?」

「やめい!」


 長宮さんは急に今履いている短パンを守りだした。って何をしているのか。って、六石が放置状態?いや、この流れについていけてないか。って俺も微妙なんだがね。


「後輩くん後輩くん」

「—―石見先輩は何ですか」


 今度は石見先輩がコソコソと俺に話しかけてきた。


「私さ。昔スカートめくり得意だったわけ」

「—―すみません。いきなり何を言いだすんですか?」


 マジでこの先輩何考えてるんだよ。何で今の会話からスカートいめくり?って、マジで唐突に何を言いだすの?


「いやだから。スカートめくりも得意なんだけど、それと同じくらい短パン脱がしも得意でさ。昔体育の授業の時大騒ぎしたわけ。隙あり!って、慌てふためく姿と、喜ぶ男子の光景がよみがえってきてさー。今していいかな?」

「……はぁー」


 ここヤバいな。ヤバい奴しかいないな。


「やめなさい。先輩だけど。やめなさい」

「えー、後輩くん見たくないの?」

「息の根止められたくはありませんので。って、石見先輩。嫌な予感がするので、俺の手が届く範囲外に出ないようにしてください」

「きゃっ、後輩くんになんかされちゃう?されちゃうの?今日出会って即獲物にされた?きゃっきゃっ」

「……なにかをしそうな先輩を止めるためです」


 ホント廊下で何を話してるんだよ。そして一人ポツンと六石がまたまた固まってるよ。どうするんだよこれ。という状況は。その後図書室の確認にやって来た楚原先生登場により。やっと解散となったのだった。


 ちなみに、弁償というか。六石は明日、長宮さんに謝罪するそうです。ってか。何で明日になったかというと。


「松尾君明日学校来るんだ。じゃあ私も暇だし来ようかなー」

「奈都もホント松尾好きだねー。私は暑いしパスかな。だらだらしたいし。今日動いたからねー」

「松尾君と居れば美味しい料理とかお土産にありつけるかもじゃん。家いても暇だし」

「……あのさ。明日は俺学校に来るんですが。図書室の作業進んでないから。何故に俺の家で――みたいな感じなのか」

「後輩くん後輩くん。明日は何して遊ぶ?」

「先輩。仕事しなさい。このままじゃ終わらない」

「いやー、先輩くんが厳しいなー」

「松尾君とりあえず明日適当な時間に行くからー」


 などというやり取りが解散前にあったからである。


 それから六石とはその場で別れて――長宮さん蓮花寺さんはそのまま昇降口の方へ。俺と石見先輩。楚原先生は一度図書室へと荷物を取りに行ってから、解散となったのだった。


 って、マジで長宮さん蓮花寺さんはなんで学校に居たんだ?と、ふと思い出したのは――図書室を出た後の事だった。


 いや、一つ一つ整理というか。ちゃんと片付けていかないとなんか忘れてそう。と思っている俺だった。

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