第56話 お泊り会2

 あれからしばらく。睡魔に負けた人は……居なかった。何故かって?今俺たちは外に居るからだ。こんなことになったのは。


 ◆


 これは少し前の事。飲み物を飲みながら雑談?したりしていた俺達。基本テンション高めの長宮さんが俺と結崎に絡んでいた。という感じだ。

 ちなみに決してお酒類は出ていないので。あったのは炭酸とお茶くらいだ。

 とりあえずそんなことがあって、少しすると長宮さんがふと。


「そういえばさ。ここ星綺麗に見えてたよね?やっぱ明かりが少ないから?」


 多分ネタ切れというのもあったのだろう。

いろいろそれまでは質問をしまくっていたが。俺と結崎の反応が悪かったのも原因かもだが。長宮さん飽きたのだろうと。勝手に思っていた俺。


「まあうん。このあたり街灯ってか光がないからね」

「じゃあさ。せっかくだし星見に行こうよ。ってか外行こう」

「えっ?」

「奈都もう遅い時間だよ?」


 現在はもうすぐ日付が変わるという時間なのだが。っか何気に俺はめっちゃ眠かったんだが。


「だってここって松尾君ところしか居ないんでしょ?ってことは遅い時間に出歩いてもお巡りさん来ないじゃん!」

「あっ。確かに」

「結崎?」


 何故か結崎も長宮さん側になって、元気なお方が多数決的に多かった部屋だった。


「ちょっとだけ行こうよ」

「だね。松尾君ちょっとだけダメ?」

「……はぁ、マジか」


 ということがあり。


 ◆


 少し前の回想終了。俺達3人はスマホだけ各自で持って外を歩いている。外はマジで真っ暗である。俺はもちろん知っている光景なんだがな。夜中にぶらぶらって……何気に何回かしたことある。寝れなかった時とかにな。なんかぶらぶらしたくなるんだよ。誰も居ない静かなところを。今はにぎやかな方か。


 とりあえず俺の中では、畑の方に行けば星は綺麗だから見てきて帰って来る。の予定だったのだが。


「ねえねえせっかくだからちょっと散歩しようよ」


 長宮さんが結崎の手を取り駅の方へと進んで行ったため。俺の予定ははじめから崩れたのであきらめた。


 まさかこんな時間に駅に向かうとはね。思ってもなかったよ。今は駅への暗い道を進んでいる。


「あっ、まだ電気付いてる」

「ホントだ、まだ電車あったっけ?」


 すると前から長宮さんと結崎の声が聞こえた。田園駅から出る電車はもちろんこの時間ではもうないのだが。改札のところだけ電気が付いていた。


「なんか。誰も居ない駅っていいね」


 そんなことを長宮さんが言っていたので、俺が答えようとすると。


「ここって、人が居る方が珍しいんだったよね?」

 

 結崎が先に答えた。


「です」

「なんかゆえが詳しいー」


 そりゃ、ここの駅の事を結崎はもう理解しているので、正しいことを長宮さんに教えてくれたのだった。


 それから俺たちは多分不法侵入だと思うが。駅の中に入って、って長宮さんが勝手に進んで行ったのでね。一応付いていった俺と結崎だった。

 そしてくるりと本当に誰も居ないことを長宮さんが確認すると。


「よし。松尾君とこの畑の方行こう」


 ホント行動力はあることで、俺と結崎はそんな長宮さんを再度追いかけ行くことに。って、駅を出たところで長宮さんが立ち止まった。


「どうしたの?奈都」

「ねえねえ。ゆえ」

 

 そしてちょっと落ち着いた声?いや、怖がってる?声が長宮さんから聞こえて来た。


「うん?」

「来た時ここってこんな暗かった?」

「うん?うわっ……真っ暗」


 すると、結崎も驚いていたので、俺も確認って、なるほど。


「えっ?あー、そうか。さっきは駅の明かり向いて歩いていたから」


 俺の家への道。先ほど来たところの道に出たのだが。当たり前だが真っ暗である。ちなみにここからでも星が十分綺麗に見えている。


「いやー、これなんか出てきたら面白いね」

「いやいや、やだよ」


 長宮さんと結崎がそんなこと前で話している。すると長宮さんが俺の方に歩いて来た。


「とりあえず、雰囲気出すために松尾君の腕に私たちが捕まるとかどう?」

「「えっ!?」」


 何を言いだすんだか。ホント。って、長宮さん。そんな事を言いつつ。すでに長宮さんはちょっとこちらに戻ってきて、俺の横で腕持ってるんだがね。そしてそれを見た結崎は。


「……松尾君喜んでる?」

「どこをどう見てだよ」


 俺がそんな返事をすると。


「と。とりあえず戻ろうよ。あんま涼しくもないんだからさ」


 何故か結崎も話しながら長宮さんとは反対の腕を軽く持った……えっ?なにこれ?


「あらー、松尾君写真撮る?ハーレムだよ?1枚2万円くらいでどう?」

「結構です。ってぼったくり……」

「えー。ちょっと高かった?でもなかなかレアなことだと思うからねー。値引きは厳しいですねー。お客さん」


 長宮さん再度暴走中。怖がってる雰囲気はなしである。


「何言ってるんだか。って、値段じゃなくてですね。って、とりあえず結崎のいうように暑いし。星見ながら戻ればいいのでは?あっ、足元だけはお気をつけて」

「まあ、確かに暑いからねー。戻ろうか。ってことで上見ながら歩くから松尾君腕貸してー」

「いやいや、適度に足元も自分で見てほしいんだが」

「いいじゃん。ハーレム楽しみなさいよ」


 長宮さんがそんなことを言い歩き出したため。そのままの状態で家へ。ちなみに、今のお2人は暗いから怖がるとかではなく。普通に上を見ていたというね。星綺麗だからね。見だしたらずっと見てるよな。

 

 だから2人とも同じタイミングで段差で躓くんだよ。


 ちなみに、俺はなんとなく予想して構えていたから2人がズッコケるってことはなかったけどな。ちゃんと支えた。引っ張ったよ。2人が身軽でよかったよ。


 そして畑へは行かず。って、駅までは下り。そして下ったということは登らないとなので、それだけでいい運動ということで俺たちは部屋へと戻ってきた。


「松尾君。ちゃんと段差があるなら言ってよ。本気で松尾君に抱きついちゃったじゃん」


 そして今はなぜかクレームタイム?かな。


「いやさ、俺言ったよね?足元気を付けてって」

「松尾君。言ってない」


 俺と長宮さんが話していると結崎まで会話に参戦してきた。


「同じく躓いた結崎さんよ。言ったからね?」

「何気にゆえも抱きついてたよねー。松尾君超ハーレム。よかったねー。ってことでベッドダーイブ」


 いろいろ言った長宮さんがベッドに寝転がった。そして結崎がベッドに腰かけると。


「ゆえ。捕まえたー」

「ちょ、奈都」


 なんか、俺のベッドでくっつきだす2人が居たので、そこには触れず。ってか、マジでこの2人オール。徹夜なのだろうか?と思っていたのだが。


 帰ってきてから10分もしないうちにだった。


「……」

「……」

「……えっと……」

「……」

「……」

「……寝てるし」


 俺がスマホをいじっていたら、あれ?なんか静かになった?と思いつつベッドを見ると、結崎と長宮さん寝ていた。


 長宮さんが結崎をホールドするような形で、暑くないのかな?とか俺は思っていたが。2人とも薄着なので、って、この光景見ていたらダメな気がしたので、そっとブランケットだけかけて。電気を消す俺。

 その後俺はクッションやらをちょっとかき集め。床に転がるである。よし。


 ちなみに、これ明日起きたら身体痛そう。とか一瞬思ったのだが。

 みんな思いだしてくれ。俺達は今日は朝からプール行っていたんだよ。

 そしていろいろあって今に至る。つまり、めっちゃ体力は使っていたからな。横になったらすぐ寝た。

 そりゃ結崎、長宮さんも横になったらすぐ寝るわ。よくわかったよ。


 そして次起きたのは。


 ◆


「……君。松尾君?大丈夫?」

「……うん?えっ?」


 目を覚ますと。身体が痛い。そして、部屋暑い。どうやら冷房が止まっているからか。じゃなくて。


「あー。結崎どうしたの?」


 床に寝転がっていた俺の横に結崎がしゃがんでいた。


「いや、松尾君床で寝てたの?」

「えっ?まあ寝床なかったというか。じいちゃんばあちゃんところに行くのもだったし」

「ごめん。私たち普通にベッドで寝ちゃったみたいで」

「いや、それは問題ない」


 俺は背伸びをしつつ起きる。身体バキバキ。

 周りを見ると長宮さんはまだベッドで寝ている感じだった。

 とりあえず俺は座る。何時だ……?とスマホを見ると……朝の8時過ぎ。


「結崎……早起きで」

「いや、奈都がくっついて来て暑くて」

「あー、なるほど。って、冷房入れるわ」


 俺がエアコンのスイッチを押して少しした時だった。


 ♪♪~


 安定のモーニングコール。ばあちゃんから朝ごはんできたの合図だった。

 結崎はそれを知っているので。


「奈都起こすね」

「ああ。俺……先に洗面所で着替えてる。で、ばあちゃんに言っとくわ。まだ着替えてるって」

「お願い」


 俺はそんなことを言いつつ着替えを持って洗面所へと移動した。にしてもマジで身体バキバキだ。床で寝るものではない。


 その後はなんかいろいろ、はないか。朝ごはん食べて、長宮さんが朝から焼き魚ある!とか言っていたか。って、ばあちゃん今日も張り切っていたな。


 そしてその後は、結崎が長く居ると迷惑だよ。的な事を長宮さんに言ってくれて。と、いうかだらける長宮さんを説得してくれてか。2人は午前中。お昼前に帰って行ったのだった。


 もちろん。ばあちゃんが大量のお土産を2人に渡したので。


「松尾君。私また来るから!」


 お土産目当てでまた来そうな長宮さんがいた。


「はいはい。奈都。迷惑になるから帰るよ」


 そして呆れつつ結崎がら連れて行ってくれた。俺は一応駅まで見送りに行った。

これにてお泊り会?は無事に終了。その日の午後の俺は爆睡であった。


 ちょっとベッドがいろいろな香りがしたが。すぐ寝れたから良しだろう。

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