第8話 成長結果

 ゲーム開始から2週間経とうとし、もう1週間後には2陣がやってくる。


 俺もひたすらドワ活を続け、スキルも育ってきている。


 _______________


 名前:ハッチ

 種族:ハーフドワーフ(未成年)

 職業:鍛冶士見習い


 頭:紐の髪留め

 胴:布の服

 腕:目の荒い手袋

 腰:麻の長ズボン

 足:革靴

 装飾品:粗末なゴーグル


 武器:劣化ナイフ−


 所持金:50G


 所持品:【くず鉄の劣化トンカチ−】【くず鉄の劣化ツルハシ−】【銅の劣化手斧−】【くず鉄の劣化インゴット−(20)】【銅の劣化インゴット−】【歪な雑巾】【廃棄物(9)】【火打ち石】



 <戦闘スキル>

 『投擲:LV1』

 <魔法スキル>

 なし

 <生産スキル>

『採掘+:LV8』『釣り:LV0』『鍛冶+:LV4』『木工:LV1』

 <補助スキル>

『糸術:LV2』『耐久:LV6』『自然回復:LV4』『臭気耐性:LV8』『鉱物探知:LV2』『熱耐性:LV2』『打耐性:LV1』『力:LV2』『器用:LV0』

 <言語スキル>

『精霊言語:LV2』『機械言語:LV1』



 <ON>スキル

『鍛冶+』『打耐性』『熱耐性』『力』『自然回復』

 _______________


 見てわかる通り、かなり成長してるだろう?

 全部説明すると長すぎるので、要所だけ。


 まずは臭いゴーグルを卒業した。

 150ゴールドを貯めるのに1週間もかかってしまったが、おかげで快適。


 何度か鍛冶した後に、おばさんから裁縫を教えてもらった。

 たぶんだが、服の修復が条件だと思う。

 そこで、髪留めと手袋を作ったので装着中。

 完成祝いに長ズボンが報酬。


 革靴は見習いになった時の祝い品だ。

 道具系は壊れて新調したり、必要で作ったりで増えている。

 ザリガニが消えたのは、ただ食ったから。

 住み込みやってわかったが、1度だけ親方達が不在の日があった。俺は飯を食わずにいたんだが、日が暮れると空腹アナウンスと共に、HPゲージがギュンギュン減って行った。

 マズイと思ったが、ゴーグル買って金は無い。ストレージのザリガニは生で食えない。焼こうと思っても道具がない。八方塞がりかと思った時、パン屋が光ってたので、ザリガニを焼いてもらったんだ。

 それを食って事なきを得たが、口の中に土の味が充満したのを覚えている。

 一応火打ち石を買ったけど、パンを買うゴールドは取っておくようにしている。


 スキルは、レベルが上がって生えた物と、経験が貯まって得た物がある。

 レベルで生えたのは、そのまま初期スキルと同様LV0から始まる。

 経験のは、得る前から経験は上昇するが、相当数稼がないとLV0にならない。つまりマイナススタートとなっている。はっきりと覚えてないが、3〜5は経験値上昇してたかな?


 現在の<ON>スキルは、鍛冶修練用の設定。採掘や木工をやる時に都度変更している。

 設定スキルの記憶機能が欲しいな。運営に打診してみよう。


 一部レベルが高いスキルがあるだろ?

 言わなくてもわかるよな?

 書いてるだけで涙が出るよ。


 おかげで、次の目処が立ってきた。

 昨日親方に木工もやると伝えたら、次のクエストが発生。

《ノミ、小刀の作成》


 現在、溶鉱炉の前で熱と格闘中です。


「ぐぉ。熱耐性LV2も意味ねぇ」


「ふん。LV2程度で何言ってやがる。50超えてたら半人前だぞ!」


 マジかよ!?

 先長すぎだって!


「型に流す。…冷えたら出して叩く叩く、熱す、叩く叩く、熱す……」


「小刀は途中までナイフと同じで…」


 そこで殴られる。

 痛えが、親方からするとメチャクチャ手加減してるらしい。


「バッキャロー!最初は真っ直ぐって言ったじゃねーか。もっと刃の部分は真っ直ぐだ!」


「うっす!」


 火を入れ直して整える。


 ようやく形が完成して、次は研ぎ。


 ゆっくりじっくり研いで行く。


「出来た!」


【劣化切り出しナイフ−】


「おぉぉ」


 親方に見てもらう。


「まぁ、こんなもんか」


 よし、妥協ラインだ。

 次はノミ。


 インゴットまでは同じ行程。

 それを細く伸ばして先端に刃の出っ張りを作る。


 しっかり形を確認して、先端を研ぐ。


【細工された劣化鉄の棒−】


「ぬはぁ。研ぎ足りないか」


 研ぐ研ぐ研ぐ。


【ノミのようなもの−】


「こりゃあ、完全に歪んじまったな。溶かし直してやり直しだ」


「やり直しかぁ…。素材足りない」


「鉱山いってこーい」


「ドワ活うぇーい」





 




 ドワ活してる時、1人フレンドが出来た。

 今、そのハーフドワーフも一緒に採掘している。


「グスタフさんは後どのくらいでしたっけ?」


「2週間ですよ。それでも、弟子卒業はまだまだなので、しばらく近くにいると思いますけどね」


 1週間前に知り合ったグスタフさんは、リアルドイツ人。日本在住で接続の関係で日本地域にログインとなったらしい。

 彼も俺と同じで、鍛冶士に弟子入りしている。この村には2人、鍛冶の親方が居て、もう1人の『グレンディル』のところにいる。

 どっちが楽か?考えるだけ無駄だ。

 俺が言うのもおかしい話だが、グスタフさんもかなりマニアックな人だ。

 ゲームを始めたきっかけが、迷惑かけずに昔の武器を作れるからと言っていた。


「掘ってー、掘ってー、また掘ってー」

「そうてん、そうてん、また装填」


「え?」

「え?」


「気にせず掘れー」


「うぇーっす」「うぇーっす」


 一緒の採掘時はよくあること、これがドワ活の日常だ。

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