第3話 空が晴れる



 空が晴れる

 不思議

 おかしいね


 空はずっと開けていたのに


 雲がどいていく

 空が開ける

 星が 太陽が見える

 向こう側にあるものが姿をのぞかせて


 いつだって広いままのに

 どうして姿が見えないと

 忘れてしまうのだろう

 青さも 果てのなさも


 気づくための

 心の余裕がなくなると

 視野も狭くなるのかもしれない

 壊れるほど 振り返れなかった

 あのまま 突き進んでいたらって

 体を抱きしめた


 道端にある花の美しさも

 大樹にある実りの美味しさも


 そよぐ風のここちよさ

 虫の音が奏でる旋律も


 身の回りにあるものを

 感じられなくなってしまっていたのだろうか


 空が晴れる

 心が晴れる


 重い雲がどいていく


 教えてくれた人と共に

 その様を見ていられる


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩集57 言葉のくせに、なんて生意気なんだ! 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ