Drake Line

小本 由卯

プロローグ

 その世界の上空を、1匹の竜が飛んでいた。

 そしてその背中には、1人の人間の姿があった。


「ねぇ、重くない? 疲れてない?」

 人間は竜に声を掛ける。

 その声に対し、竜は力強い鳴き声を上げた。


「そう? それなら良かった」

 竜の返事に、人間は微笑みながら答えた。

 だが、その表情はすぐに暗いものへと切り替わる。


(……あれからもう5年が経ったんだ)

(早いな、楽しい時間が過ぎるのは……)

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