第2話
白馬に乗ったお姫様が
お婿さん探しの旅をしています。
「きゃー」
お姫様の乗った白馬が
王子様の乗った白馬にぶつかりそうになりました!
「どうー、どうー」
王子様が華麗にダイナミックに事故を回避しました。
真紅の絹のマントを翻し、白馬ウィリーをキメる王子様は
ナポレオンより絵になっています。
流石、
白馬に乗った王子様です。
「大丈夫かい?! 可愛い人」
ノーブルな風貌で
誘惑的且つワイルドな登場。
女心に完璧です。
流石、
白馬に乗った王子様です。
王子様は
太陽を背にして逆光で
もう一度
白馬でウィリーしました。
逆光なのに
白い歯がキラキラ光っています。
流石、
白馬に乗った王子様です。
お姫様の胸は高鳴りました。
「ごきげんよう、白馬の王子様。
大丈夫ですわ。
前方不注意でごめんなさい。」
「白馬で一人旅とは勇敢なお姫様だ。
これを・・・」
王子様は馬から降りて
道端のお花を摘んでお姫様に手渡しました。
流石、
白馬に乗った王子様です。
「ありがとう
白馬の王子様。
私と結婚しませんか?」
「・・・なんと刺激的な姫だろう。
でも、求婚は男からするものだ。
白馬に乗った路上の姫君、私と結婚してください」
二羽の白い鳩が舞い降りて来て
お姫様と王子様の白馬にとまりました。
一瞬にしてロマンスの世界です。
流石、
白馬に乗った王子様です。
「うれしいわ。
結婚いたします。
さあ、私の白馬に一緒に乗ってください」
王子様は、きょとんとして
「君の、 白馬に、私が乗るのかい?」
「ええどうぞ、ご遠慮なさらず。
私達は結婚するのですから。」
王子様は眩しい歯をみせてまばゆく笑いました。
「姫君、君が僕の白馬に乗りたまえ。
僕の馬は大きいし、最高級の乗り心地ですよ。」
一気に「君、僕」に砕けてきました。
王子様は
白鳩のとまった自分の白馬を撫でて言いました。
「な? フェラーリ」
フェラーリはピンと尻尾を立ててポーズを決めます。
「いい馬ですわね。
でも結婚するかたには
私の馬に乗って欲しいのです。
私も、私の白馬が大好きなのです。」
「・・・。
残念です、姫君。
僕はフェラーリ以外には乗らない。」
二頭の白馬から
二羽の白鳩が飛び立ってゆきました。
王子様はひらりとフェラーリに跨りました。
「さようなら、勇敢な姫君。
あなたの幸運を祈っています。
GO !フェラーリ!」
白馬の王子様は去ってゆきました。
「なんて足の速い馬かしら。
一度、乗ってみたかった気もするわ。
さようなら、
白馬に乗った王子様。
さようなら、
フェラーリ」
お姫様の旅は続きます。
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