式神の街
九十九 桜
第一章<陰陽師> 第1話 不思議な居候
それは突然だった、不思議な居候が来たのは…
3月9日ー
ピーンポーン
友梨「はーい…」
ガチャ
友梨「って…お父さん?…って隣の人誰?」
友梨父「嗚呼、この人は餝守さん。お父さんの再婚相手だよ。」
友梨「…はぁ?!」
友梨「…なるほど…この人たちとこれから住むのね…」
友梨父「嗚呼、そうだよ。仲良くするようにね。」
友梨「…はーい。てか、新しいお母さんは?」
友梨父「嗚呼、仕事だよ。今から私も仕事だから引っ越しの手伝いをしてね。」
友梨「はいはい。いってらっしゃーい。」
ガチャン
友梨「…。」
琳「…手伝って。」
友梨「別に。自分でできるでしょ?」
琳「お父さんに言われたから…」
友梨「外出てくる。」
琳「ちょっと…」
ガチャン
琳「…なんなの…」
友梨(なんなの?あいつ、勝手に来て偉そうにいって…ほんと腹立つ…)
駿平「無花果?」
友梨「げっ…那須…」
駿平「げっ、じゃねぇーよ。なにしてんだよ。」
友梨「…サボってる。」
駿平「…何を?」
友梨「今日から居候がきたの。けど、そいつ勝手に来て偉そうにいって…腹立つから出てきた。」
駿平「居候って…」
友梨「…まぁ、再婚相手の娘だけど。」
駿平「居候じゃねぇじゃん。」
友梨「ったく…良いよねぇ…那須のところは本当の兄がいて。」
駿平「…まぁ、意地悪だけどな。」
友梨「良いじゃん…再婚相手の娘よりは。」
駿平「え…あ、わりぃ買いモン頼まれてるから帰るわ。じゃな。」
友梨「じゃーね。」
友梨(うちも…嫌だけど帰ろ…)
ガチャ
友梨「ただいま…」
琳「お帰り。」
友梨「…夕飯は?」
琳「作ってる。」
友梨「ふーん…」
琳「…いてっ…」
友梨「…?」
琳「いてて…」
友梨「何?傷?」
琳「関係ない…」
友梨「貸してみ。」
琳「あ!」
チウ
友梨「…これで大丈夫…は?」
フワフワ…
友梨「な、なにこれ…?!幽霊?」
琳「…あーあ、だから関係ないっていったのに…」
友梨「…は?」
琳「…その説明は夕飯食べてからするから。」
友梨「…は??」
友梨「…で、このフワフワしているのは?」
琳「…代々私の家系、いわゆる餝守家は式神を操る陰陽師の家系なの。」
友梨「…式神?なにそれ…」
琳「式神は陰陽師の使い魔のようなもの。その…パートナーみたいなものよ。」
友梨「…じゃこれは…式神?」
琳「うん。」
友梨「何で出てきたのよ…」
琳「私の血を舐めたから。」
友梨「は?それだけで?」
琳「うん。だって、言ったでしょ?私の家系は…陰陽師だって…」
友梨「…嘘…じゃ、私は…」
琳「うん。陰陽師になったってこと。」
友梨「…今までごめん…舐めてて…」
琳「別に。大丈夫だし…」
友梨「…黙っとくね…」
琳「てか…黙るどころか…へんな行動したらまぁ、そりゃばれるよ。」
友梨「…OK。」
琳「…どうする?」
友梨「へ?」
琳「その子。狐みたいだけど…」
友梨「これ狐?」
琳「まだわからないよ。狐かもしれない。」
チャプン…
友梨(…琳が言ってたけど…式神って…あんな感じなのね…なんか歴史番組で見たことはあるけど…リアルよね…)
フワフワ…
友梨「…名前どうしよ…」
フワフワ…
友梨「なに食べるんだろ…てか鳴かないよね…コーンって。」
フワフワ…
友梨「…浮いてるだけなのか…」
友梨「お風呂上がったよ…っておお?!な、なにそれ…」
琳「ああ、私の式神。」
友梨「…は?!」
琳「友梨ちゃんのと、私のとでは違うの。私のは九尾の狐。」
友梨(九尾の狐ってぇぇぇぇぇ!?しかも友梨ちゃんんんんん?!)
琳「てことで、改めて…陰陽師同士として宜しく。」
友梨「よ、よろしく…」
友梨(こええ…)
新たなる居候…いや新しい姉は不思議な陰陽師。そして私自身も陰陽師となり、波乱な日々を送ることになる…
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