ブラコン義妹がアニヲタの俺の部屋をストリップ劇場と化した件→「生身のオンナに興味持ちなさいっ」

雲川はるさめ

第1話

俺の名前は山吹シンジ。

現在高校一年生。

夏休みのある日のこと。

時刻は14:00を少し回った頃。

俺の義妹のナツが、勉強会を開催するからお兄ちゃんの部屋を貸して!と言い出した。

義妹のナツは現在、中学三年生。

高校受験を控えて大事な時期だった。


「ええー、なんでまた、俺の部屋なの!?」


「だって、ナツの部屋、物が溢れかえった汚部屋だもん!狭いもん!!それにー、

お兄ちゃんがいてくれれば、

分かんない問題が出て来たときに、すぐに聞けるじゃん!」


「ええー、俺も部屋にいなきゃ、なの!?」


「あったりまえじゃん!お兄ちゃんが

いなきゃ面白くないよ」


なぜか俺の部屋でやることになった。


「お兄ちゃん、頭いいんだから、

困ったらうちらに、勉強教えてよ」


「それはいいけどさ。

ああー。

なんでこんなことになっちゃってんの!?

オレの部屋が、色んな意味でカオスな件!!」


いや、俺じゃなくて他の男だったら、

この今、俺が置かれている状況は喜ぶべき

案件なのだろうが、いかんせん俺はパニックに陥っていた。


なんでって?


だって、俺の部屋が美少女四人に、荒らされているから!!

勉強会、開始五分で、

妹ナツ、の友達だとかいう、美少女だが、金髪ギャルの

ハルって子が、テキストをポイッと後ろに投げた。


「あー、もう、わっかんないー。やめやめー」


「え、ハル、もうギブなの??」


そう言ったのは、こちらも美少女だが、

地毛で茶髪のボーイッシュなショートカット女、アキって女。髪の毛短くて男っぽいが

胸は今、俺の部屋にいる四人の女のなかで一番大きかった。


「だってぇ、私、勉強だっきらいだもーん!

もう飽きた!なんか、面白いことしよ??」


ここで、義妹のナツが悪ノリしたんだ。


「成人向け雑誌、探そうか??

この部屋のどっかにあるかもしれないし、

ないかもしれない...」

「お兄ちゃんが、健康男子で、三次元の女に興味があれば、きっとそんな類いの本が見つかるだろうし、二次元の女にしか興味なかったら

見つからないと思う...」


「うわ、いいね!それ、面白そう!!」


そう言って勉強から逃げ、

義妹ナツと、金髪ギャルのハルが

俺の部屋中を物色し始めたんだ。


「やめろ!!」と言っても

ふたりして、全然聞く耳を持ってくれなかった。


そればかりか、アキが、

「あのー、この数学の証明問題分からないから、教えてくれませんか?」と

尋ねてきて、俺はつきっきりで教える羽目になってた。


「ふんふん。説明、わっかりやすーい!

次は、この問い四、お願いしまーす!」


「ああ、いいけど...」


俺は二人の所作を止めようにも、

アキに捕まっており、ろくに動けなかった。


ガサゴソ...


ふと目をやると、ベッド下に潜り込もうとしてるアキがやたらとミニスカート履い四つん這いになってるもんだから、下着が見えてた。


「うわぁ...!!」


俺は心の中で呻き声を上げていた。


は、恥じらいってもんがねーのかよ!!




「ようし!今度は、引き出しの中、探すぞぅっ!」


腕まくりして、俺の義妹のナツが

俺の勉強机の引き出しに手をかけた。


流石に、俺のプライバシーが侵されるのはちょっと見過ごせない。




「や、やめろ、ナツ...!」


「お兄ちゃん、うるさいっ!こっちは真剣に

大人向け雑誌を探しているのよ!

まーったく、どこ探しても出てこないんだから!!」

「ほんっとーに、根っからのアニメヲタクなのね!!」


「ハル、アキ、冬子トウコ、そっちは

どう??」


「んー、ベッドの下見てるけどぉ、なんも

ないよ。綺麗になってる。チリひとつ、落ちてないわ!!」




トウコって黒髪ロングの清楚系の美少女は、

黙々と勉強に励んでた。



別段、俺に聞くことなどないみたいで、

スラスラと問題を解き進めていたんだ。


俺の部屋の物色もしないし、

礼儀はわきまえているみたいだった。


呼びかけられ、少し顔をあげ、

「私は勉強しているので」と静かに言った。


アキはあきだけに、勉強に飽きたのか、

ナツ達に加勢して


「わたしもさがそーかな。でも、もう探し尽くした感じあるよね?」


「それにしても、漫画本多過ぎ。

壁にポスター貼り好ぎw」



そう。俺は生粋の

アニメヲタクで。

お洒落とか、生身の女子に興味を示さない俺のことを心配して妹のナツが

「あーん、だめだ、部屋に成人向けの本の類が一切ないし、

漫画本ばっかり見てて健康男子のすることじゃないわ!」


とキレ気味だった。


まぁ、俺が三次元の女に興味を示さなくなっちまったのには訳がある。

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