無色の奇術師
村上羊
第一部 雷鳴の旗
第1話 普通なんて
恐怖と混乱に支配され、少年は震えていた。
全身から汗が溢れる一方で、喉は唾液を飲み込むことすら困難なほどに渇いている。遠くからは祭りの喧騒が聞こえるが、どこか別世界から漏れ出てきた非現実的なもののようだ。
緊張感が高まることで五感が敏感になり、かすかな音や匂いをありありと感じられる。
だが、そんな波のように押し寄せるさまざまな情報とは裏腹に、少年の頭は目の前のものにとらわれていた。
その眼前には、力なく倒れた亡骸があったのだ。血液で自身が汚れることも気に留めずに、少年はまだ生きていた熱が残るその身体を抱きしめた。
セミの声が夏の始まりを告げた14歳の7月、鯨井ケイはただその場で泣き叫ぶことしかできなかった。
***
その日の朝、ケイは目覚まし時計に煽られて起き上がった。時計は8時前を指している。しかし、学校が始まるのは8時10分だ。
「おはよう」
リビングに急いで入ったケイに対して、彼の叔父が言った。
「今日、終業式だったっけ?」
洗濯物の山から急いでシャツや靴下を集めるケイとは対照的に、叔父さんはゆっくりとコーヒーを飲んでいる。
「うん」
「朝からうるさいぞ」
「うるせえ、なんで起こしてくれないんだよ」
ペアになる靴下が見つからず、イラつくケイはそう叫んだ。
「自分で起きないのが悪いんだろ」叔父さんはそう言いながらキッチンへ向かった。「朝、パンでいいか?」
「いらない」
ワイシャツのボタンを締めながら、ケイはそう質問に答える。
「食っていけよ」
「時間ないんだよ」
「せっかく作ったのに」
叔父さんは機嫌が悪そうに言う。
「もう、行くから」
ケイは適当に歯を磨き、リュックを背負って廊下を走った。
「おい、食べていけよ!」
家を出るケイの背中に、叔父さんはそう叫んだ。
***
鯨井ケイの人生は、これ以上となく平凡であった。学校に行けば多くも少なくもない友達がいる。そして、成績も褒められたものでもないが、壊滅的なわけではない。強いて言うならば、叔父さんと二人暮らしなことは特殊だったが、本人はそれを特別だと感じていなかった。
学校に到着すると友達と話して、授業が始まった。そして終業式のために体育館へ行き、校長の長い話を聞く。
「受験生の自覚を持って、この夏休みを有意義に過ごすように」
終業式が終わり、帰りのホームルームの際に先生はそう言った。今年度に入ってから聞き飽きるほどに言われ続けている言葉だ。中学3年生になったら受験をしなければならなくて、自ずと勉強を頑張らなくてはならない。それが普通なんだ。ケイはそれに不満を抱きながらも、何か特別なことをしようとも考えていなかった。
しかし、その日の放課後にケイの平々凡々な人生は転機を迎えた。クラスメイトの白石さんに呼び出されたのだ。白石さんとは、今年の春から突然転入してきたクラスメイトのことである。透き通るような白い肌と、見ている人を引き込むような大きな瞳が印象的な彼女は、その明朗快活な性格から早々にクラスの人気者になった。もちろんケイの心も例外ではなく、彼女に好意を抱いていた。
ーーそんな彼女がなんで自分に?
白石さんがケイを待っていると伝えられ、まずはそんな疑問が頭に浮かんだ。なぜならケイは、何度も言っている通り普通な人間である。そんな彼からしたら、白石さんはまさに高嶺の花なのだ。
周りの友達から冷やかされることから逃れ、ケイは待ち合わせ場所の校門へ向かった。期待と疑いを同時に抱きながら校門に行ったが、本当に白石さんは待っていた。彼女はケイと目が合うと微笑み、その大きな目を少し細めた。
「来てくれたんだ」
「……うん」
こちらを見つめる彼女の瞳は、夏の日差しに照らされて茶色くなっている。ケイの鼓動は速くなり、セミの鳴き声よりもうるさい音を打っているようだった。心臓が飛び出るほど緊張するなんてよく言うが、本当にそうなってしまうようだ。
「一緒に帰れる?」
「あ、うん」
「じゃあ、行こっか」
二人で歩く帰り道は、周りの目が気になって少し恥ずかしかった。14年半の人生で、嬉しさと気恥ずかしさが両立したこんな経験は、ケイにとって初めてのことだったのだ。まさに普通からの脱却である。ケイは緊張から自由に口を開くことができなくなってしまた。白石さんも同じ気持ちなのか、ポツリポツリと断続的な会話が続く。それでも、彼女に歩幅を合わせる感覚や、身長差、微妙な距離感さえケイは嬉しかった。
「今日、お祭りあるでしょ?」
互いの帰宅路が分岐する直前、彼女はケイにそう尋ねた。
「ああ、神社の?」
「うん」
本当は今夜、祭りに行こうとは思っていなかった。なぜなら受験生のレッテルが貼られている以上、叔父さんに何を言われるか分からなかったからだ。しかし、白石さんという平凡を覆してくれる象徴の魅力に、ケイは抗えなかった。
「行こうか」
「うん、じゃあ6時にここでいい?」
彼女はそう言って、上目遣いでケイを見つめた。
「分かった。待ってる」
「じゃあね」
彼女は笑って手を振ると、歩いて行ってしまった。
白石さんは俺のことが……。
そんなことを考えると、ケイはその場で顔を覆って転がりたい気分であった。そして、ニヤけたい気持ちを抑えるように、走って家に帰った。風を切るように走って、額から汗が溢れた。どれだけ息が切れても、どれだけ足が疲れても、ケイは口角が上がるのを止められなかった。
帰宅すると、部屋は暗かった。まだ時刻は2時前で、約束までにはたっぷりと時間がある。まず風呂に入って、昼食として冷凍食品のパスタを食べた。モノクロだった世の中が、突然色付いたような錯覚をケイは抱いた。シャワーからお湯がなかなか出ないことも、冷凍食品が一部凍ったままなことも、リビングが汚いことも全て許すことができたのだ。
一段落すると、ケイは夜に着るための服を選ぶのに頭を抱えた。できればよく見える服を着たい。でも、不幸なことに女子と出かけたことなんてないケイは、そんなニーズを満たす服を持ち合わせていない。結局、比較的まともな服を選んで着ていくことにした。
緊張から何も手につかずに動き回っていると、叔父さんのことが気にかかった。叔父さんは、ケイが幼い頃から異常に過保護な面がある。たとえば、基本的に自宅以外では友人と遊んではいけない。祭りも去年まで叔父さん同伴でなければ行ってはいけなかった。いくら過保護にしても、中学3年生に対する接し方ではないのは確かであり、ケイはそれを不満に思っていた。
午後5時前、叔父さんは予想以上に早く帰宅した。
「どうした、そんな服着て」
「祭り行く」
叔父さんは何か言いたげな顔をした。
「誰と?」
「……友達」
「勉強は?」
「明日するよ」
叔父さんは最近になって、しきりに勉強の話をするようになった。幼い頃からケイに「普通」を強制する叔父さんのことを考えれば当然のことだが、その「普通」から抜け出しつつある今のケイからすると、普段以上に叔父さんの言葉が煩わしく思えたのだ。
「本当か? でもなあ」
「分かってるよ」
いつも好きなことをさせてくれない叔父さんに対して腹が立ち、つい語気を強まる。
「何時集合なんだ?」
「来なくていいから」
「いや、それは駄目だ」
「なんで?」
おかしい。叔父さんは俺を普通の人間に育てようとしているのに、叔父さんと俺の関係はあまりにも歪過ぎるんじゃないか?
ケイの中で、そんな思いが込み上げてくる。
「全部お前のためだ」
叔父さんの返答に、なおさらケイは不満が募った。
「全部? 学校以外、四六時中見られてることが? そんなのおかしいだろ!」
「それは悪いと思ってる」
ケイは過去のことを振り返り、つい声を荒げてしまった。そして、これまで我慢してきたことが堰を切ったように溢れ出してくる。
「ずっと我慢してきた」
「分かってる。でも仕方ないんだ」
「何が?」
ケイは叔父さんが言わんとすることを、どうしても汲み取ることができなかった。
「分かってくれ。全部お前のために言ってるんだ!」
「お前のためお前のためって、なんなんだよ! 本当の親でもないくせに!」
叔父さんの強く発された言葉に呼応するように、ケイはそう怒鳴った。しかし、そも言葉に叔父さんは何も返さない。先程まで声の応酬で満たされていた部屋は、突然静まり返ってしまった。
「俺もう、15歳になるんだよ……」
叔父さんへの謝罪がどうしても喉に詰まってしまい、代わりにその言葉だけを残してケイは家を出た。
***
最悪な気分を抱え込みながら、ケイは待ち合わせ場所で1時間待った。
「ごめんね、待った?」
6時前に白石さんはやって来た。小走りで駆け寄ってくる浴衣姿の彼女に、ケイは目が離せなかった。
「どうかな?」
自分に向けられた視線に気づいて、彼女は照れながらそう言った。
「いいと思う」
本当は「可愛い」と言いたかったが、ケイは恥ずかしくてそれを上手く口に出すことができなかった。
神社に向かう途中、彼らは途切れつつもさまざまなことについて話した。学校の話や好きな映画の話、それに彼女の家族のことを聞いた。しかし、自身の家族に話が回ってきそうになって、ケイは話題を変えてしまった。
神社に着いた頃には辺りは少しだけ暗くなり始め、出店の灯りが淡く光っていた。綿あめを食べて、射的をして、欲しくもないのにスーパーボールすくいをした。
最初の方は、自由に遊んでいることがケイは楽しかった。白石さんといることで、気持ちを切り替えることができたのだ。だが、次第に叔父さんのことが気がかりになってしまった。
決して怒りたくて怒ったわけでもなければ、もちろんあんなこと言いたくはなかった。しかし、将来への不安や日常生活への不満が積み重なって、つい感情的になってしまったのだ。
「どうしたの?」
「え?」
「暗い顔して」
白石さんは、茶色い瞳でケイを見つめた。
「ううん」ケイは首を横に振った。「なんでもない」
白石さんの不安げな表情を晴らすために、ケイは笑ってみせた。
「ねえ」突然、白石さんの様子が落ち着きをなくした。「伝えたいことがあるの」
「うん」
急な展開に、ケイはスーパーボールを落としそうになった。時間が止まったような感覚に陥ったと思えば、心拍数が急ピッチで上がるのを痛いほどに感じる。そして、白石さんから目を離せなくなった。
「人がいないところで話せる?」
彼女は、周りを気にしながらそう言った。
「うん、いいよ」
ケイの返事を聞いて、白石さんは歩き始めた。神社の参道に沿ってできた屋台と人の群れを少し外れ、木々の生い茂る林の方へ入った。ついに自分の日常が覆されてしまう。そう思うと緊張して、一歩一歩足を踏み出すことさえ不自然になってしまった。
「あのね、鯨井くん」
ずいぶん奥へと入ったところで、白石さんは足を止めて言った。
「うん」
ケイの心臓は胸を突き破ろうとするくらいに激しく鼓動していた。あまりの緊張に指先がかすかに震え、こめかみには暑さが原因ではない汗が伝っている。
「ずっと前から私ね」
ついに、敷かれたレールを辿る人生から解放される。そう思い、ケイは渇いた喉で無理やり唾を飲み込んだ。そして、彼女の瞳を見つめる。
「鯨井くんのことがーー」
次の言葉を発するために白石さんの赤い唇が動いた瞬間、後方から何者かが邪魔をした。
「おい、そこで何してるんだ!」
ケイが振り返ると、その言葉の主は叔父さんだった。
ーーなんで? なんで、ここがわかったんだ? なんで、そこまで俺を縛ろうとするんだ?
ケイの頭は混乱しつつも、怒りが沸々と湧き上がっていた。そして、叔父さんに対して怒鳴った。
「なんでーー」
「そいつから逃げろ!」
叔父さんの言葉に促されて白石さんの方を見ると、ケイは言葉を失った。なぜなら、さっきまで頬を赤らめた白石さんがいた場所には、見たこともない女性が立っていたからだ。そして、その女の手には怪しく光る日本刀が握られていた。
「え?」
そんな言葉とともにその場で尻もちをついたケイの前に、叔父さんが出てくる。
「なぜこいつの居場所がわかった!」
叔父さんは女に向かって怒鳴った。
「お前ももう気づいているはずだ」
女の言葉で、叔父さんは何かに気づいた。その表情を確認して、女は不気味な笑みを浮かべた。
「その子を渡して」
しばらく睨み合った後、女は叔父さんにそう言った。
「無理だ」
「大人しく渡せば、その誠意は無下にしない」
「たとえ殺されても、お前にだけは渡さない」
ケイはその会話の意味がわからなかった。二人は漫画のような突飛な会話をし、叔父さんは女が刀を持っていることを自然に受け入れている。その場でケイだけが情報の処理に困っており、置いていかれていた。
「……そう」
女はそう言うと突然、叔父さんに対して斬りかかった。しかし、いつの間にか叔父さんの手に握られていた刀がそれを牽制する。
「ケイ、逃げろ!」
叔父さんは女を睨みながら、そう叫んだ。
「でも……」
ケイは状況が掴めないまま、その場から立てずにいた。
意味がわからない。さっきまで俺はただ、お祭りに来て楽しんでたのに……なんで、なんでこんな意味がわからない状況に陥るんだ。最悪だ。
ケイはただ、その不明瞭な状況に嘆くことしかできなかった。
「早く行け!」
ケイはやっと立ち上がり、助けを求めに人混みへと走った。どれだけ冷静になろうとしても脳内の混乱は無秩序を極め、何も整理することができない。分からないものへの恐怖と、一時的にでもあの危険な状況で叔父さんを置いてきてしまったことへの不安で、ケイの目からは涙が溢れ始めた。急がなきゃ、もっと急がなきゃ。そう思った瞬間視界がかすみ、ケイは木の根につまずいてしまった。左腕を擦り剥き、右膝を木の根に強打した。
それでもすぐに立ち上がり、また走り出そうとした次の瞬間、ケイは恐怖に足がすくんだ。なぜなら、ついさっき叔父さんと戦っていた女の声が、背後から聞こえたからだ。
「逃げないで。怖いことはしない」
恐怖と緊張で上手く呼吸ができなくなった。不規則な息遣いになりながら、ケイはゆっくりと後ろを振り返る。そして背後数メートル先に佇む女を見て、完全に呼吸することを忘れてしまった。その女の刀には、まだ鮮やかな血が付着していたのだ。複数の筋となった真っ赤な血液が、刃の先で一筋にまとまっている。そしてそれが、規則滴なリズムで一滴の血となって地面に滴る。
「嘘だ、嘘だ……」
ほとんど吐息のような声を絞り出して、ケイはそうつぶやいた。そして後ずさりし、またもやつまずいてしまった。
「よかった。まだ普通の男の子で」
女はそう言って笑う。
ケイは逃げることも忘れて、ただ一定のリズムで落ちる血液を見つめることしかできなかった。
「あのね、ずっと探してたのよ」
「嘘だ、嘘だ……」
さっきよりも声が出て、ケイはそう言った。一度止んでいた涙がまた溢れ出す。
ーー叔父さんが殺された? 嘘だ。俺も殺される? こんな女に俺の日常が奪われるのか?
恐怖に縛り上げられ、ケイは指先すら動かすことができなくなった。
「私の可愛い子」
涙のかすみが消えた一瞬、不意に女の後ろでなにかが光っているのが目に入った。
「ほら、おいで……」
女はそう言ってケイの方へ手を伸ばした瞬間、不自然に動きを止めた。なぜなら、先程の光が目にも留まらぬ速さでこちらに飛んで来て、女の腹部に風穴を開けたからだ。大量の血液が女の腹部を赤く染め上げ、その口から吐き出された血液は、ケイの足元で飛び散った。また常識の範疇にないことに見舞われ、ケイの脳は混乱を極める。
「……まだ死んでない」
その光を放ったのは、叔父さんだった。女は患部を抑えながら、身を翻して叔父さんとの距離を置いた。
「この死に損ないが……」女は叔父さんを睨んだ。「次は必ず、手に入れてやる」
女は咳き込み、また大量の血を吐き出した。そして、いつの間にかその姿は闇の中に消えていた。
女が消えた暗闇を見ていたケイは、叔父さんが膝から崩れる音を聞いて、そのもとへ向かった。倒れ込みそうな叔父さんを、ケイはすんでの所で倒れるのを阻止する。その身体の各所からは血が流れ、地面に血だまりを作っている。
「叔父さん、叔父さん」
涙を拭うことさえ忘れ、震える声でケイはそう呼びかけ続けた。
「ケイ……」叔父さんは言った。「聞こえるか」
「……うん、うん。聞こえるよ」
「ごめんな」
「何が?」
唇が震えて、上手く声が出せなくなる。
「俺はずっとお前に嘘をついてきた」叔父さんは小さな声で続けた。「ずっと俺は、お前の家族の振りをしてた……」
「え?」
ケイの頭は混乱した。思考は停止し、感情ばかりが先行してしまう。
「お前を守るために、俺は叔父の振りをしたんだ」
ーー叔父の振り?
叔父さんが何を言っているのか、ケイは上手く呑み込むことができなかった。それでも、まるで本当は家族ではないようなその言葉が嫌で、ケイは必死に首を横に振った。
「何言ってんだよ今更、本当の家族だろ!」
ケイの言葉を聞いて、叔父さんはゆっくりと血で赤くなった歯を見せて笑った。
「お前は特別な子だ。だがお前が心配で、普通なことを強要してしまった……」叔父さんの目尻を、太い涙の筋が伝った。「もっと自由に、育ててあげたかった」
「だから何言ってんだよ、もう喋るなよ!」
叔父さんは力なく手を伸ばして、ケイの手に重ねた。
「もっと、一緒にいたかった。ごめんな……」
「……もう謝るなよ」
「ケイ」叔父さんは掠れる声で、ささやくように言った。「家族でいてくれて、ありがとう……」
幼い時からつなぎ慣れた大きな手が、ケイの手元から滑り落ちた。いくら怒っても、いくら叫んでも、もう返事は来ず、いつからかケイの言葉は泣き叫ぶ声に変わっていた。これ以上となく涙が溢れて、ただケイは叔父さんを抱きしめることしかできなかった。周りには木々しかない林の中で、ケイは体力が尽きるまで涙を流し続けた。
***
それから数日が経過しても、ケイの心にポッカリと空いてしまった空間はどうしても埋まらなかった。
セミが激しく鳴く蒸し暑い日、ケイは鳴り止まないチャイムに叩き起こされた。頭痛に顔をしかめながらドアを開けると、そこには身長180センチ以上はありそうな男が立っていた。
「やあやあ」
男はそう言った。
「え?」
「君を引き取りに来たんだ」
男はそう言って、不敵な笑みを浮かべた。
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