第2話


申し遅れたが、俺の名前は山吹シンジ。

現在高校二年生。部活は美術部。

ちなみに一応部長職についてる。



そんな俺は際どい、いや、もう完璧アウトな幼馴染をモデルにして描いたイラスト集なる

手帳をどこかに落としちまったようだった。


だから、気が気ではない。

水泳の時間、本来ならば、女子の水着姿に心躍らせている筈だが、そうもいかなかった。

俺は手帳のことが気になりヒヤヒヤしながら

泳いでいて、心、ここにあらずの状態だった。


ただひとつの救いは。


あの手帳、拾われたところで誰のものか

分からない点。


無記名の手帳であり、

俺の物だと特定するのは無理ゲー。


大事な用事を記した走り書きのメモなどは随所にあるが、筆跡鑑定にでも出さない限り、

俺が書いたとはバレないだろう。



だがな。


俺はこの日の昼休み。


ピンポイントで呼び出しをくらった。


学年一のクール系美少女にして頭脳明晰、

運動神経抜群の生徒会長。二学年の

スクールカーストの頂点に君臨する女子、

林ユーコに教室でユーマとともに飯を食ってたら手招きされた。

それから、教室の開き戸のところで、

林ユーコにこう告げられた。


「手帳のことで話があるの。

ちょっといいかしら?」






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