レベリオン・マルヴォロ

彼の名前はレベリオン・マルヴォロ。

創世の一族、《マルヴォロ家》の末裔である。

彼の家は創世一族なので、もちろん裕福に育った。

適当に学び、適当に育ち、適当に死ぬつもりだった。

出生より25年がたった日、

彼はマルヴォロ家の当主となった。


そんなある日。

彼のもとに一通の手紙が届いた。

差出人は「ライトネス・ケント」。

彼も創世の一族の末裔だ。

手紙の内容はこうだった。




創世の一族の皆様


ご多忙とは存じますが


至急、ケント家にお集まり願います。


            ライトネス・ケント



「ケント…なんだろう。今までこんなことなかったのに…」


二日後、彼はケント家の屋敷に旅立った。

腰に剣、懐に拳銃を忍ばせ、

カルポと呼ばれる滅亡前の「ウマ」を改良してつくられた移動用大型動物に乗り、

創世の一族で最も資産の多いケント家の屋敷に向かう。



屋敷につくと大広間に案内された。

そこにはもうすでに

ほとんどの末裔たちが集まっていた。


「よぉマルヴォロ。随分おびえてるようだな」

「おびえてるものか、お前こそ来ないと思ってたぞ」

彼はラーク・プリヴェル。

昔から意地悪だが憎めないいいやつだ。


「レベリオン、久しぶりだな」

「おお!久しぶり!」

彼はナナホシ。

太古のアジア周辺に国を作った。

みなと仲良く、スピリッツ家のアダムズとは幼馴染らしい。


「マルヴォロさん!!久しいっすね!!!」

「お、アダムズ。久しぶりだな」

彼がスピリッツ・アダムズ。

亜米利加、と呼ばれる国を再建した一族の末裔である。


「んっと、アリア、元気か?」

「ええ、まあまあね」

彼女はピアニッシモ・アリア。

一族の末裔の中で唯一の女性。


するとケントが屋敷の奥からやってきた。

「さて、マルヴォロ君が来たいま、来てないのは―――

       キャメルくん、ウィンストン、そして、メビウスさんだけですね」

「あいつはこねえだろ」

確かにメビウスはほかの一族との交流を好まない。


「さて、これだけ集まれば十分でしょう。

 僕が今回君たちを呼んだのは、ある提案をしたくてね」

一呼吸おいて話す。

「僕たちで連合を結ぼう。

 名付けて《シガ―ズ・ユニオン》だ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る