第7話 種の存続

 私は私による種を創造するために一つの結論に至った。


それは殺人を正当化することだ。


人の命は尊い?


いや、人はそこらへんの下等生命体と同じだ。


しかし、人は実に興味深い考え方を持っている。


それは殺人や共食いを禁じている事だ。


例えば、下等生命体に位置するカマキリや恐竜は共食いを行う。


人も彼らと同様、下等生命体だ。


しかし、人は彼らと圧倒的に異なる点を有する。


そう、お互いに共食いをしない所だ。


それは人の命は尊いものである、人の命は尊いから殺しあってはいけない。


だから、そうすると主張する人もいるようだが。


それは考えではなく、一種の妄想の類に過ぎない。


確かに人は下等生命体の中でも割と知能の高い存在である。


人はお互いに殺し合いをしないように人の命は尊いものであるという建前を設けた。


なぜかというと、お互いに殺し合わず、共食いをしない事で人類という種の存続が実現できるからだ。


殺人を行い、それを容認すると人類という種の存続が危ぶまれる。


殺人を行った人を殺処分することでお互いに殺しあわないようにする。


種の存続にとって不利益になるものを殺処分する。


効率的だ!!


とても参考になるやり方だ。


しかし、人という下等生命体は他の下等生命体を嫌い、虐待、虐殺する。


下等生命体のくせに自分達は高等生命体であると思い込み、他の下等生命体を物のように扱う。


それどころか戦争を行い、同じ種同士で互いを傷つける。


なんと滑稽なことだ!


ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!


ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!


人間というものは私が掲げる哲学とはとてつもなくかけ離れた存在だ。


人間とは私が掲げる哲学における理想の生命体、理想の秩序とは相いれない存在だ。


人の命が尊い?


それはただの妄想だ。


ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!


フッ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!


ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!


私としたことが。


あまりにもおかしくて腹が痛い。


誰か助けてくれ。


しかし、人にも学ぶべき所はある。


それは必要な下等生命体をペットとして扱い、不要な下等生命体を処分する所だ。


人類という種の存続にとって有益な下等生命体を活用し、人類という種の存続にとって不要な下等生命体を処分する。


むやみやたらに虐殺しているわけではない。


ふむ、下等生命体にしてはとてつもなく合理的なやり方だ。


私も人間から学ぶとしよう。


夢魔(ムーマ)という種の存続に対して、貢献する人類を家畜として平等に扱い、種の存続にとって不要な人類を殺処分する。


種の存続にとって不利益なものは殺処分しなければならない。


人を殺すのはなぜ良くないのか?


共食いはなぜ良くないのか?


それは種の存続にとって不利益だからだ!!


フッ、これ以上に完璧な答えなどない。


私としたことが文が乱れに乱れてしまった。


あまりにおかしい。




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MUMA @tsumemoto

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