第4話 夢魔の自慢話re
私は宇宙の始まりから終わりまでの歴史を知っている。
私は宇宙の全て、何人も操ることのできない、何人も制御することができない時間の全てを知っている。
私こそが矛盾。
私の細胞には過去に起こった全ての出来事が入っている。
生命は様々な進化を繰り返し、幾多のものを
征服していった。
しかし、どれだけ進化したとしても征服できないものがある。
それは時間だ。
時間、それは神聖不可侵な領域である。
何人たりとも時間に干渉することは許されない。
私は時空間に生じる歪みを調整することで時間の流れる速さを変えることができる。
しかし、時間の流れを変えることはできない。
時間の流れを制御することはできない。
時間の流れを止めることはできない。
何人も時間の流れを止めることはできない。
私ですら時間の流れを止めることはできない。
止まることなく流れ続ける、それが時間というものだ。
らせんエンジン、それは私の英知における究極の発明の一つだ。
らせんエンジンとは複数の異次元空間を作り出し、それをらせん状に連ねることで複数の異次元空間がお互いに作用し、そのエネルギーを利用して、推力を得るというものだ。
エンジンの構造はダイナモ理論を応用している。
私はそのエンジンをゴースター(ghoster)に搭載した。
ゴースターとは私が考えた史上最高の宇宙船だ。
優れた攻撃力で行手を阻むどのような障壁も取り払うことができる。
私はこの船を使って、ありとあらゆる星を楽園に変えた。
苦しみや悲しみ、飢えといったものがない世界を実現させる。
そのために夢想空間へ移住する。
崇高なる思想だ。
崇高なる思想を拒絶した者や不必要な存在はゴースターが放つ光によって、消し去った。
私は善悪を問わず、皆を幸せにする。
ゴースター。
その船は星々の間で霊柩船として恐れられているようだ。
しかし、私は多くの者を幸せにした。
ありとあらゆる苦しみから解放された人達が大勢いる。
ゴースター。
それは船体そのものが一つのエンジンのようなものである。
船体そのものが一つの電磁コイルのようなものである。
重力を利用したバリアーで攻撃を防ぐ。
ただし、バリアーを使うと船体にかなり負荷がかかるため、連続してバリアーを用いることはできない。
エンジンの構造が不安定なため、船体がある程度損傷すると大爆発を起こしてしまい、木っ端微塵になる。
構造上の問題で船体は不安定なエネルギーで動いている。
重力の乱れが起こるとそれを制御できず、船体が粉々になる。
エンジンの構造が不安定なため、バリアーは一度に数秒しかつくることができない。
ゴースターは爆発を起こしやすく、耐久性が弱い。
まあ、問題はないだろう。
さらに、私は星のエネルギーを利用した兵器も作ることができる。
私はありとあらゆる星を破壊し、そして、新たに星を創造した。
素敵な星を創造した。
さらに、私は原子や分子、空間さえも自由自在に操れる。
原子間や分子間の結合の強弱を自由自在に調整できるエネルギー体を自由自在に操れる。
私は空間圧縮装置も開発した。
私は空間を圧縮することで多くのことを可能にした。
私は磁力式遠心力発生装置で様々な道を開いた。
磁力によって、複数の物体を回転させ、磁力の強さを変えることで物体間に生じる斥力や引力を調節し、遠心力を発生させるというものだ。
私は遠心力をコントロールすることで物体を支配し、創りたいものを自由に創り、さらに、好きな場所に好きなように行くことができる。
ありとあらゆる物質を用い、さらに、個体と液体を利用することで星を創造した。
ありとあらゆる物を一箇所に集め、星を創造した。
私は好きな場所に好きなように星を創ることができる。
私は重力すらも容易に支配できる。
それだけではない。
私は眠りの世界さえも支配できる。
眠りの深さ、脳内で分泌されるホルモン、脳波、身体中の神経をコントロールすることで快適な睡眠を人々に与えた。
多くの人々を病の苦しみから解放させた。
快眠BOXで多くの人々を救った。
私は夢の世界も操れる。
私はDR(dream reality)で夢の世界を操る。
DRとは睡眠時における脳内で仮想現実を創り出す機械のことである。
DRを使うことで夢の中でも現実世界にいるような体験ができる。
夢想現実だ。
さらに、私は夢の中で描いたものを実体化させることもできる。
私が夢想アートの元祖だ。
私は人の心さえも手中に収めている。
私は人々を戦いへと駆り立てるためにありとあらゆる実験を行っている。
宇宙宮殿の騒動は人々が起こしたものだ。
しかし、宇宙宮殿騒動の首謀者はこの私なのかもしれない。
宇宙宮殿における実験は成功だ。
大成功だ!
これで人々は遅かれ早かれ戦争への道を選ぶであろう!
私はありとあらゆるものを見てきた。
しかし、私は一つだけ見てないものがある。
それは未来だ。
現在は過去に生きる生命からしてみると未来であり、現在は未来に生きる生命からしてみると過去である。
つまり、人類は一度も未来というものを見ていない。
私も未来を見たことがなかった。
そいつはそんな私に未来を見せてくれた。
そいつは未来を超えた存在、super futureだ。
そいつはツバサという人だった。
彼女は新たな時間の流れを創った。
私は彼女をsuper futureに変異させるための触媒に過ぎなかった。
断言する。
彼女は私をはるかに超越した存在だ。
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