第10話

歳月流れて。


マヒロは金さえ出せば誰でも入れてくれる

裏口入学上等!の高校を受験することななく。


俺と同じ高校、つまりは、自分でいうのもなんだが結構レベルの高い高校を受けることにしたんだ。


受験当日。

試験会場となる高校の校舎に入る前に

俺はマヒロとこんな会話をしてた。


「し、し、し、シンジ...。

ちょっとどうしよう。私、緊張で足が震える...」


ガラにもなく、俺の後ろにいるマヒロがビビってた。


「も、も、もし落ちたらどうしよう...。

私、シンジと一緒に登下校したり高校生活をエンジョイしたいのに...」


「落ちて女だらけのお嬢様学校なんて死んでも行きたくない...!!」


「大丈夫だろ...。あれだけ頑張って勉強したんだ」


「ハイ、コレ」


俺は筆箱に入ってた自分の消しゴム2つのうちの一つをマヒロにお守りとしてあげた。


「握ると勘が冴える消しゴム...」


俺は適当なことを言った。


「握ると...??」


マヒロは顔を赤くした。


そして、俺のズボンの股下に視線を落とした。


「いや、そんなおまえ。

そんなことを考えてる場合じゃねぇだろ」


「そ、そーだけど!

なんか、緊張が今、どっか飛んでった...!!」


「じゃ、お互いベストを尽くそうな」


「うん!」


その後。

約二週間が過ぎて。

受験結果から言うと。


マヒロも俺も無事受かってた。



そして、

俺はまぐれで一位を取ってしまい、入学式で

新入生代表挨拶を読む羽目になった。


式後、一緒に帰ったのだが、


マヒロ曰く、


「あーあ。シンジが頭いいって有名になっちゃった!変な女に言い寄られないといいけど」


と焼きもちをやいてくれ、

俺はとりあえず、



「おまえさ。もう既に先輩や同級生ほか10人の男に告られたんだろ?ちゃんと断ったのかよ?」と

嗜めた。


「あったりまえじゃん!!私はシンジ一筋だよ!!今も、これから先もね!」


俺はバシーンと強く背中を叩かれた。


その痛みに。


俺はマヒロは多分、てか、

絶対、浮気しないよな...と確信したのでした。









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