第4話 クレーム

 突然のお手紙失礼します。

 今更だと思うのですが、どうしても納得いかないのでお尋ねしたいと思います。

 何故、塗装した作品を置かなくなったのでしょうか?

 大方、『買った商品と違う!』といった類いのクレームが来たからではないでしょうか?

 果たして、そのクレームに応える必要はあるのでしょうか?

 私は店頭に置かれていた、綺麗に塗装された作品に憧れて模型作りを始めました。そして、それなりの技術が身に付いてからも、店頭に置かれている作品には刺激を与えられてきました。

 私だけではありません。

 キラキラとした瞳で食い入る様に見ていた子供達の姿は今も忘れられません。

 今一度問います。

 どの様な理由で作品を置かなくなったか存じあげませんが、それは本当に正しい選択なのでしょうか?

 もし、考え直し再び店頭に作品を置くなら微力ながら力添えさせて頂きたいと思います。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

傍らに模型 神代 哲 @tetsuojudai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る