第5話

初日にゴブリンロードを倒した俺達は、あまり警戒をすることなくエルフ達を探していた。本当は警戒したいのだが、昨日戦った奴があまりにも弱かったためしようにもできない状態なのだ。

「しかし本当にどこにもいないな。メフィロスとか言う奴もいないし、どこに隠れてるんだ?」

「ほんとだよね。どこにも気配を感じないわ。まさかだけど地下にいるのかしら」

カエデの言った通りこの感じだと地下にいる確率が高そうだ。だけど地下に繋がるような道は一つもなかった気がするのだ。

「下からなんか気配がするのよね。仕方ないからこのモミジ様が下に連れて行ってあげましょう」

「「いやちょっと待ってくれ。まさかあたり一面破壊するつもりか」」

「当たり前でしょ。じゃあ少し離れててね」

こうなってしまったら逃げるしかない巻き込まれたら確実に死ぬと思う。

俺はカエデと共に集落から一キロ離れた位置まで移動した。その直後とてつもない破壊音がこの世界に響くのでした。

そして戻ってきた時には昨日ここについた時よりも酷い有様になっていたのでした。

さすがのモミジも手加減をしたようで少し表面が割れているだけだった。手加減したのにこの威力なんて頭がおかしい心の底から思ってしまう。

「なんかぶっ壊したら階段が出てきたよ。ほら行くよー」

「わかったからちょっとおとなしくしてろ」

「仕方ないなー。ちょっとだけだよ」

案外素直に聞いてくれるのだった。だけどちょっとしかおとなしくしないというのが怖いな。まあおとなしいうちに先に進むとしよう。

「じゃあ先に進むぞ。いつでも戦闘できるようにしていてくれ」

「「了解です。いつでもぶっ飛ばせるようにします」」

「まあ程々にしてくれよな」

「「了解ですー。さあ行くよ」」

まあすごく怖いけどとても頼もしいと思う。

そうして階段を降りて行ったが、地下が予想以上に広い。

「まさかこんな空間が広がっていたなんて知らなかったな」

「本当ですね。でもなんのためにあるのかしら?」

「分からないけどまあそれについては考えないようにしよう」

そして地下を進んでいくこと十分、突如として広けた空間が目の前に広がってしたのでした。その中心には、恐ろしいオーラを纏った人型の魔物とはしの方には行方不明になっていたエルフ達が捕まっている。

「お前らが、ゴブリンロードを倒したのか?」

「そうだがそれがどうした」

「いやなにアイツなどいても変わらないのだがまさか倒せる人間がいたとは驚きでな」

こいつ自分の部下が死んだのにもかかわらず全く持って動揺していない。逆に部下のことを道具のように思ってやがる。

だけど俺はこいつに一つ聞きたいことがある。

「なあお前はなんのためにエルフ襲ったんだ。何か理由があるのか」

これに対して奴は、

「ここに一体だけ強力な個体がいると部下共から聞いてな。そいつを部下にしに来たのだがちょうどいなかったようだ」

多分だがこいつが探してる奴は俺達の幼馴染のエリナだろう。タイミングが悪いことに多分だがこいつはいま武器の材料となる鉄を探しに行ってるのだと思う。

「そうなのか。目的が叶わなかったのなら今すぐこの場から立ち去ってもらえないか」

「この我に立ち去れだと。ひ弱な人間の言う事をなぜ聞かなければならない」

「立ち去るつもりがないのならここで死んでもらうぞメフィロス。いくぞモミジ、カエデ。叩き潰すぞ」

「「了解だよ。思いっきりやってやるよ」」

こうして俺達はエルフを救い出すためにメフィロスとの死闘を開始するのだった。

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