クレーマーになる

なんか知らんが、女性と二人で食事に行くことになった。女性はイチローと中居正広が好みだと言っていた。


レストランに着くが、いまいち腹が減っていない。ヨーグルトともう一品(何か忘れた)を頼んだ。

ヨーグルトを女性店員が持ってくるが、何か変な液体と混ぜ合わせているように見えた。私は文句を言い、おたまでヨーグルトを掬うことになった。


ごちゃごちゃ話しているうちに、ヨーグルトは薄まっており、おたまで掬ったものは水にヨーグルトを混ぜたような美味しくもないものになっていた。

仕方ないので、近くにあったスープを掬って飲む。まあまあ美味しい。二口、三口と食べた。しかし、こんなことは食品衛生上、許されるのだろうか。


この頃になると、もうお腹が空いてきていた。二品だけでなく、もっと注文すればよかったかもしれない。


私と来た女性は、レストランにいる男性客の一人をイチロー本人ではと思い、声をかけようとしていた。

イチローには少しだけ似ているものの、ヒゲが生えていて、少しだが恰幅がよい。全然イチロー本人ではないだろうと感じる。


「あの、イチローさんですよね」

「それは顧客との契約の問題で答えるわけにはいかない」


即座に否定すればいいのに、なぜかボヤかすようなことを言う。女性も収まりがつかなくなり、イチロー似の男性にしつこく食い下がっていた。

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