映画を見る会
映画を見る集まりがあった。
渋谷のユーロポーロという映画館に行く。映画館の前にソファーのある空間があったので、そこでくつろぎつつ待ち合わせした。
席の番号がロシア語の順番のため、どこが自分の席かわからないと怒っている人がいた。そんな人もいるんだなと思う。だが、席の位置を事前に見ていたにも関わらず、自分の番号の席を見つけることができない。
席数は少ないのに、数字の桁は多い。書かれている数字が何を指しているのか、席の列なのか、席そのものか。番号を照合しても自分のものと合わない。
延々と迷っていた。
ようやく席に着く。
私の近くに座るはずだった人は体調が悪いと話しており、彼女の母親の具合が悪化したということで帰ってしまった。
私の隣には、同じ集まりの人のはずだが、見知らぬ綺麗な女の人が座っていた。
映画自体は満足のいくものだった。その気分のまま、散歩に出る。荷物は映画館の席に置いておいた。また戻ってくるからだ。
私は映画の感想の代わりに映画を擬人化したキャラクターの設定をまとめることにしていた。しかし、散歩から戻るのが遅くなりそうで、まとめる時間がなかったため、映画館を出るのが遅くなりそうだと感じている。
映画館に戻る道に進もうと、道を曲がるがそこは民家の敷地しかなかった。
「俺はインタビューまでしたんだよ」
そう必死で語る男がいたが、女は呆れたようで、まるで相手にしていない。
そのマンションに住む人々の自殺が相次いでいた。このままだと全員死ぬことになると男は力説する。そして、一刻も早くマンションを立ち退くべきだと話した。
「だったら、あんただけ出てけばいいでしょ」
女は冷めた様子だったが、男は「俺は全員を救うまで出るわけにはいかない」と狂気走ったように語る。このまま、この男も自殺する運命からは逃れられないのだろう。
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