コンテストに捩じ込む

文芸コンテストが行われる。

自社のコンテストなので、予選は飛ばして本選にねじ込んでしまおう。そう、赤青黄の三人で共謀することになった。

お題は料理ものとフリースタイルとがある。私はどちらもサッと書き上げて応募した。


コンテスト当日である。

私が提案したうどんが出来ていた。つゆに対してうどんは少なめ。しかし、つゆの味付けが濃いという評判だった。

私も食べてみるが悪くない味わい。だが、これで勝ち抜けるかは難しく思えた。周囲で、これはつけ麺のように食べる前提だとフォローが入っていた。

今回は初の試みとして、お弁当はなく、外に食べに行くのだという。時間があるか、少し不安だった。


控え室でしばらく待つ。黄の女の子が「緊張する!」と叫んでいた。私にも緊張が伝わってきた。

私の書いた短編は戦隊ヒーローもので、現在連載中のものと違い、ギャグものであった。ヒーロー、鬼、人間、人間の群れ、キャンピングテントのポールで戦隊を組むという内容だ。

果たして、受けるのか不安だった。


コンテスト会場に行くが、ペンを忘れたことを思い出し、控え室に取りに戻る。帰ってくると、コンテストのテーブルは埋まっていた。


会場を電車内に移す。コンテスト専用の車両が用意されている。外側からわかるようにラッピングされており、若干恥ずかしかった。

電車内のコンテストが終わると、ホームの側に用意されたスペースで次のコンテストに入る。テーブルの設置があるので手伝う。


私はなぜか自分がシンケンレッドを演じたと思っていた。レッドの役者はみんな役のイメージとピッタリだよなという話になり、自分は司馬丈瑠みたいに思われてるのかあ、と思っていた。

よく考えると、シンケンレッドを演じたのは松坂桃李君である。


私の戦隊ものギャグは概ね好評で、ホッと胸を撫で下ろした。

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