枕元に見知らぬ男がいた

寝ていると、廊下から気配がして部屋のドアを開ける音がした。

こんな深夜に誰かが来るはずもない。だが、不安に駆られた俺はとにかく声を出すことにした。

「あえあ!」

「はれあ!」

誰だと言おうとしているのだが、声が上手く出せない。なんとかして目を開けると、枕元に見知らぬ男が立っていた。

「起こしてしまったね」

男はそう言った。

不審でしかなかったが、起きていることができずに眠りについてしまった。


なんとかして目を覚ますと、男は正面の本棚の前に立っていた。

しかし、あんなところに本棚はない。

ということは、これは夢なのだろうか。

しかし、どこからどこまでが夢なんだ?


俺は激しく寝息をたてる。自分にできるのがそれだけだったからだ。意図的に寝息をたてることで、男への牽制にならないかと考えた。


俺は目を覚まし、男がいた場所を確認するために振り返る。

「うあっ!」

そこには誰もいなかった。

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