銭湯に行く
気分を変えようと銭湯に寄っていくことにした。
その銭湯は木張りの板で壁も床も張りめぐられている。蛇口やシャワーはなく、噴水のような場所からお湯が湧いてきているので、木製の桶をそこまで持っていって湯を汲むことになっていた。
桶に入れた湯の中に黄色い塊が混じっていることがあったが、気のせいだと思うことにして、掛け湯をする。
ふと湯舟を見ると、何かが浮かび上がっていた。それは子供の死体だった。
恐怖にかられた私は近くに店主がいることに気づく。
「お前がやったのか?」
そう店主に尋ねるが、それを否定し、警察を呼んで捜査してもらうのだと答えた。
死体の存在が恐ろしく感じられる。
私と店主の二人は銭湯の隅に移動していた。会話をしながらも、死体の様子をチラチラと眺めている。
徐々に湯舟が揺らぎ始めていた。いや、死体が動いているのだ。死体は立ち上がり、こちらに向かってくる。
恐怖にすくみ上った我々に死体が声をかけてくる。
「覗きか?」
その質問にかぶりを振って否定する。
「お前が死んでいたから、警察を呼んでいるのだ」
なんとか、そう答えた。
起き上がってきた死体はなぜか女子高生になっていた。さっきまでは男の子だったはずなのだが。
女子高生は服を着ようとしているが、着替える順番が違うためにおかしなことになっている。下着の前にスカートを履いてしまっているのだ。
そのことを指摘するが、何がおかしいのかわからない様子だった。どうにかして説得しようとすると、私が着替えさせることになってしまった。
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