【創作BL】桜の舞う頃に

第1話

一目惚れだった


色素が薄く明るめの髪の毛

他の人よりも茶色い瞳

運動部なのに白くソバカス一つ無い綺麗な肌

成績優秀、運動神経抜群。

でも少し無愛想で言動も同じ学年の男子と比べると大人びていた。あと大人びてて冷静沈着の割に無駄に優しい。

いつもはあまり笑わないけど笑った顔が可愛らしくて女子からも人気だった


いつも、アイツの隣には女が居た。

華奢で髪の毛がフワフワで長くて如何にも女の子って感じの女が。

でもよく変わるんだよ、隣に居る女が。

二日前までロングの黒髪の清楚系な女だったくせに二日後にはセミロングの染めましたと言わんばかりの明るい茶髪の女になってる。そんなことはしょっちゅうだった。


一年次、クラスは別だった

休み時間の度に三組の教室に女が群がる

一瞬で分かった

あぁ、アイツのクラス三組なんだな、って

わざわざ探しに行く手間が減って良かった。

でも俺だってアイツの姿拝みたいのに女共がキャーキャー言って群がってるせいで何も見えねぇ

ふざけんなよ退けよ、お前らだけのアイツじゃねぇんだよ

一年次は夏のグラウンドで汗流して仲間と楽しそうに体育してる姿と、放課後しょっちゅう変わる取っかえ引っ変えしてるであろう女との下校姿しか見れなかった。


二年次、奇跡的にクラスが一緒だった

クラスが一緒ってだけでも奇跡なのに二回目の席替えで隣の席になった。しかも後ろ。

明日俺死ぬのかな・・・とか考えてたらまさかの向こうから声掛けて来た

え?マジで死ぬの?


「小鳥遊、だよな」

「えっ、おう・・・小鳥遊・・・です」

「俺菊宮、よろしく」

「よろしく・・・」


陰キャで数人の男としか喋らない俺にも話しかけるとかお前マジふざけんな、どんだけ好感度上げるんだよ。

俺だけじゃなく周りの女からの好感度も上がるだろ


「俺男友達あんま居なくてさ」


嘘つけよ

男でも女でもトモダチは両手で数え切れないほど居るだろ

でも正直良い噂は聞かない

まぁそりゃ女取っかえ引っ変えしてるような男だしな

トモダチって言っても上辺だけのトモダチが多いんだろうな


「だから俺と友達になってくんない?」

「・・・はい?」

「無理・・・だよな、ごめん」

「いやいや無理だなんて一言も言ってねぇし?!」

「え?いいの?」

「まぁ・・・トモダチ・・・なら・・・」

「ありがとな、よろしく」


『よろしく』

そう言った時の笑顔はヤバかった

破壊力がとてつもない

そうやって誰にでも良い顔しやがって

俺以外にも優しいんだろ?女にもそうやって優しく接してギャップで落としてるんだろ?


あ〜あ、なんでこんな男好きになっちゃったんだろ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る