【俺の存在が世間にバレると、世の中、大混乱すると思います。】〜だから、頼む。俺の周りに群がるな!〜

月島日向

序章

第1話 昔々、あるところに...。

 昔々、あるところに正反対な風俗の男女がいました。




 男のほうは、世間を総裁する組頭の息子であり、大手貿易メーカーの次期社長でもありました。



 女は、幼少期から芸能界で活躍し、次世代のメディア露出トップを期待されるカリスマ女優。

 


彼らは、あるきっかけで出会い、幼馴染みとして育ちました。



 そして、育ちの環境が極道とカリスマと言う対極な二人は世にも珍しく惹かれ愛し合うようになったのでした。




 しかし、世間は彼らが結ばれる事を良しとはしなかったのです。

 高校生までは周囲に内緒で付き合うことが出来ていました。


 派手なデートは出来ませんでしたが、その緊張感もまた楽しかったし、ありでした。

 高校を卒業したら結婚したいね。などと話していました。


 ですが、二人がそれぞれの世界で名を馳せるようになってくると、ある種の世間の固定観念が二人の恋を邪魔しました。


 男は、父親が決めた許嫁と無理やり結婚させられました。

 女には彼女の美貌の遺伝子を絶やさないようにと、母親に頭を下げられ、世間も認めた有名な俳優と結婚しました。


 しかし、二人とも、幼馴染みの事が忘れられません。

 それぞれ、別々の相手と納得のいかない結婚をしてしまいました。



 まあ、世間体が大事なのは分かっています。

 世の中、生きていく上で、命の次に信頼が大事なのは知っています。

 だから、一応、言われるがままに結婚をしてみました。




 ですが、諦めきれない二人は、仕事の合間を縫って、パパラッチに遭遇しない場所で静かに親好を深めていきました。

 要は、不倫です。

 結婚相手にもバレないように上手くです。



 ある程度親好を深めるともう一段階上の欲求が二人を束縛します。

「俺たちの、私たちの子供も欲しいなぁ。」と。



 そして、全てを計算した上で、不倫から妊娠までがバレない最高の計画を立案し、遂行にうつします。


 そうして、一人の男の子が誕生しました。

 めでたし、めでたし...と......。





 はぁ。

 二人の隠密出産計画はそこで終わっていた....。





生まれた子供の気持ちを考えたことないだろ....。

ふざけるな。






まぁ、まんまとおねだりした俺も俺だが...。

この親にして、この子ありって言えるのか?





ただ、一つ言えること、俺は決してシスコンでは、ないからな!

あくまで、妹、そして兄の関係から逸脱することはない。

ただ、俺、気分屋だからな.............。



ベシッ!!


「いで!!!」

「貴方は私を選んでくれたのでしょ?」

はい。

決して、浮気しようとか、そんな事は.............。





ジー。

はい。

スミマセン。


親のフリ見て我がふり直す。

これ、大事。

多分、DNA同じだからさ、気づいたら、親と同じ道歩みそうなんだよね.............。










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