EP7 鴉天狗が見ている
その日仕事を終えて東野は帰路につく時の事。
「東野先輩」
同じ仕事のシフトの後輩、当間佐倉に声をかけられた、
「あの何です?」
「先輩、酷いですー」
「仕事のなら事務所でして」
「いえ…事務所で言っても店長や皆に笑われるし。第一先輩はオカルトとかに詳しいらしいと噂があって」
「イエイエ違うから!」
ここまで激しく否定するのはオカルトでも何でも無い表沙汰に出来ないからだ、
「せめて話しだけでも!私鴉天狗に見られてるんです!」
東野はスマホで『鴉天狗』に関する情報を調べて見せた、
「鴉天狗と言うのは伝説上の生き物の事で天狗に似た衣装をしているかが鳥の嘴に似た部分が…」
「それ何ですけどこの写真に!」
そう言って当間はスマホの画像を見せた。
「…人?しかも空中に?」
「はいっ!此が昼の時間帯です」
同じ角度で違う時間で撮影した写真が写った。
足場となり得る建物が無い、
「で。何で鴉天狗何だ?」
「撮影する直前私の目には黒い羽で羽ばたいてる人が見えたんです、でもカメラで撮影したらこうなったんです」
当間が迫ってきて東野が後退りしようとした、
「ですからお願いします!」
翌日。
大田の家、
「其で当間と言う後輩から『鴉天狗』の相談をされたんだ」
「そう…何だよ」
「でもさ、彼女が目撃したのはあくまで鴉天狗の事だろ?周りの風景を気づいて無いのはおかしく無いのか?」
「それ何だよ。彼女の見た鴉天狗がエーテルルーラーなら風景が変化してた筈!なのに変化が起きずに鴉天狗だけを目撃した」
「確かにな」
「エーテルルーラーって皆妖怪見たいな見た目だったしな」
これまで東野千花は色んなエーテルルーラーを見た。
その殆どが神様と言うより妖怪の類いに見えた。
あの時のエーテルルーラー同士の勢力争いの時、
最後の決闘は白いエーテルルーラーは敗れ豪華な着物から白い拘束具に変化して黒と紫のエーテルルーラーが手に取った。
聞き取り難かった『レベル99』とは何か上には上があって下もあり得るとしたら一体どうなるのか?
「あの子はその鴉天狗のエーテルルーラーにトラウマを感じるだろう」
「相手が人間だしどうすれば止めて貰えるかだな」
「えっ!一寸待て私?む、無理無理!」
「誰もあんたの事じゃない」
北野が自分に指差して言った。
東野は一抹の不安しか無い、
後日、当間に次の休みの日の事を相談した、
駅前ロータリーのバス停、
其処で当間は東野と合流するのだが、
丁度東野も合流出来た。
「あっ待ってました先輩」
「お、待たせた」
「私も丁度でしたよ」
「其でな佐倉」
「先輩もしかして何か対策が有ったんですか?それとも専門の方とか?」
「いやそんなんじゃなく」
東野がしどろもどろしている内に北野が東野の後ろに立ち。
「誰です?その人?」
「今日は始めして~僕の名前は北野瀬夢。東野と秘密の仕事をしているんだ~」
「えっ?秘密の仕事って?」
「いや~生きてると色々要るからな~早速本題何だけ…」
北野がいい終える前に東野が肘鉄砲をした、
「其より話しがあったと言ってた事だけど」
「…どうやら私とお二方と話しをしていたら何か睨んで居る様な?」
当間が指差した方向を向くと。
ビルの屋上に鴉天狗が居た、
ビルの屋上から鴉天狗が飛び降りると背中の羽根を広げて飛んだ、東野と北野はカメラを手に撮影した。
鴉天狗が東野に接近して直前に蹴りを食らう寸前、当間が鴉天狗に蹴りを入れた、
蹴られた鴉天狗横に吹き飛ばされながらも空中でバランスを整えた、
次に鴉天狗は北野に狙いを定めて突撃をした。
北野はエアガンを取り出して何発か撃った、
が鴉天狗のエーテルルーラーは怯む様子が無かった。
鴉天狗が東野に接近して直前に蹴りを食らう寸前、
鴉天狗の腹に短い棒の様なモノが鴉天狗の腹に当たった。
蹴り寄り痛いのか地面に激突した、
手に子供が落としたと思う玩具の弓を手にした当間が居た。
「当間…一体今のは?」
「学生の頃弓道をたしなんでまして」
「安心出来るか…来るぞ!」
鴉天狗のエーテルルーラーはゆっくりと立ち上がり羽根をめいいっぱい広げると周りの風景が東洋が含んだものに成りかけた。
「これは」
「あの鴉野郎!ストーキングするよりもこっちの方が手早いのに!」
鴉天狗のエーテルルーラーは当間に向けて突撃した。
だが当間にぶつかる直前、
当間の手にした弓を北野が取り上げて間に割り込み弓で鴉天狗を叩いた。
頭を叩かれた鴉天狗のエーテルルーラーはコントロールを失いゴミ置き場に突っ込み気絶した、
気絶した所で北野は相手の顔を撮影した、
その後3人は逃げた。
後日、
鴉天狗のストーカーは当間の写真と北野の写真のダブルパンチで逮捕された。
それ以来、鴉天狗は当間を見なかった。
EP7 鴉天狗が見ている END
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